« 【犬狼物語 其の十九】 千葉県匝瑳市 円静寺の「愛犬之墓」と芭蕉の句碑 | トップページ | 2016年初夏の撮影旅(02) 福島県天栄村 棚田とヴィーノ »

2016/05/28

2016年初夏の撮影旅(01) 【犬狼物語 其の二十】 栃木県佐野市 犬伏の里(鷲宮神社)

180527_5

180527_1

180527_2

180527_4


今回の撮影旅は、山形市での講演会、世界遺産 平泉の撮影、棚田撮影、いろんなことを同時にやることになりますが、ひとつ「忠犬の物語を探す旅」というテーマもあります。

もう19ヵ所をすでにアップしてありますが、【犬狼物語】のテーマです。

そして今回【犬狼物語 其の二十】は、栃木県佐野市、犬伏の里(鷲宮神社)。

佐野市のHP「犬伏」のページには、「犬伏」の地名の由来としていくつか載っていますが、その中の(1)は、

「古老の話では大昔、この地に大猿が出て婦女子を餌食にするので、何とか防ぐ方法として年に1回の祭に娘を供養に出すことになってから被害は少なくなりましたが、年々娘たちが少なくなっても困るというところから、近江国より、ちょっぺ太郎という大犬をつれてきました。娘の代わりに供養に出したところ犬と猿との戦いによって、両者死に絶えました。それからは人畜に全く被害がなくなりました。これも太郎のおかげであるとのことから、或る丘に犬を埋め供養したことから、犬が丘に伏せているということが伝わり、犬伏町というに至ったものと伝えられています。」

という伝説です。

こういう話は類型があり、借りてきた犬が化け物(猿神)を退治する話で、犬の名前「ちょっぺ太郎」とは少し違いますが「しっぺい太郎伝説」というそうです。江戸時代、この伝説は日本中で流行ったらしい。外国にも紹介されていた日本を代表する伝説でした。

今度の6月5日は、まさにこの「しっぺい太郎伝説」の祭りに行こうと計画していたので、その繋がりに縁を感じます。山形県鶴岡市、「めっけ犬」を祀っている大山の椙尾神社のお祭りなので「大山犬祭り」ともいいます。

ここでも犬の名前が「めっけ犬」といって「しっぺい太郎」ではないですが、内容は同じような伝説です。

「大山犬祭り」については、6月5日以降アップできると思うので、そのとき詳しく書きます。


佐野駅の北東に位置する鷲宮神社あたりは「犬伏」という地名ですが、一の鳥居をくぐっていくと、こんもりした杜の中に吸い込まれていきます。静かで、それこそ妖怪が棲んでいそうな場所です。

妖怪をやっつけてくれるのが「ちょっぺ太郎」。今回の旅はヴィーノ連れで、ヴィーノは「ちょっぺ太郎」になってくれるのでしょうか。北海道でヒグマに遭遇した時のことを思い出すと、「ちょっぺ太郎」は無理かもなぁと、期待薄ですね。

上に掲載の狛犬が、 伝説の「ちょっぺ太郎」と伝えられているものですが、両手がなく、独特のフォルムをしていて、ネットで初めて見たとき、カンボジアのアンコール遺跡群を思い出しました。まるでクメールの石像のようです。狛犬の石像の存在感はすごいです。

背中に「元禄十@」とかいう文字が見えました。元禄時代に寄進されたものでしょうか。

最初から両手がなかったわけではなく、後で折れた(折られた)ようです。造形的にもすばらしい作品だと思います。

「しっぺい太郎」伝説とはいったい何を表すのでしょうか? 

伝説や昔話は、人間の深層心理の反映でもあり、その話がその土地にずっと伝わってきた理由もあるはず、とユング心理学では言っています。そのうち考えてみたいと思いますが、今は旅の途中なので、旅を楽しむことを優先したいと思います。

ちなみに、新潟県十日町市まつだいにも、「犬伏」という地名があります。武田信玄ゆかりの地で、犬伏城の跡があります。標高365mの犬伏山の頂上にあった山城ですが、地形を利用した、越後と関東を結ぶ 最短ルート上にある要衝の地でした。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

|

« 【犬狼物語 其の十九】 千葉県匝瑳市 円静寺の「愛犬之墓」と芭蕉の句碑 | トップページ | 2016年初夏の撮影旅(02) 福島県天栄村 棚田とヴィーノ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【犬狼物語 其の十九】 千葉県匝瑳市 円静寺の「愛犬之墓」と芭蕉の句碑 | トップページ | 2016年初夏の撮影旅(02) 福島県天栄村 棚田とヴィーノ »