2016年初夏の撮影旅(10) 【犬狼物語 其の二十三】 岩手県奥州市 衣川三峯神社
世界遺産の中尊寺や毛越寺の撮影を終えて、近くに「お犬様」の神社があることを調べてきていたので、参拝しました。
中尊寺から衣川を渡り、高速道路のそばの道を山の方へと入ったところにありました。ここは東北のオオカミ信仰の中心地だったらしい。
「お犬札を頂きたい」と頼むと、「ここはオオカミですが、いいですか?」と聞かれました。もちろん「お犬様」と呼んでいても、実際は犬ではなくオオカミであることはわかっているので、もちろん「いいです」と答えました。
秩父では「お犬様」と呼んでいますというと、ここでは「大口真神。オオカミですね」といわれました。
昔、秩父の三峯神社の御分霊をこの地に勧請したのがはじまりとされているそうです。
ここは馬産地で、狼の被害がありました。だから秩父とは違い、ここで狼は益獣ではなくて「害獣」だったのです、それどころか恐ろしい祟り神でした。
ところで、例祭日が、旧正月19日、旧3月19日、旧9月19日と書いてあったので、そのことについて尋ねると、この3祭日ともに、今も旧暦でやっているそうです。
この前の山形市の講演会のとき、神社関係の人に教えてもらったことがあります。
明治6年に新暦に改暦しましたが、主な神社には官軍の役人が派遣されて、祭りごとも新暦に直したようですが、地方の神社では最近まで旧暦で行われていたそうです。それが新暦になってしまったのは、大正・昭和にかけて行われた「生活改善運動」が大きかったということです。
もともと神事や祭りは、月の満ち欠けに関係した旧暦で行っていたのに、新暦に直して、その意味の半分が失われてしまったとも言えるのかもしれません。
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