2016年初夏の撮影旅(14) 岩手県奥州市 国立天文台水沢VLBI観測所
(地面に向かっての「ブラジルの人、元気ですか~」は正しい方向)
(道の駅みずさわで撮影した、地球最接近中の火星「スーパーマーズ」 一番明るい星)
水沢VLBI観測所は、岩手県奥州市水沢区にある国立天文台の観測所です。
ここを訪ねようと思ったのは、国立天文台の中では、現存する一番古い観測所のひとつ、つまり「日本最古」だからです。
国立天文台水沢は、1899年に設立された臨時緯度観測所が母体で、1902年、木村榮初代所長が発見した「Z項」によって世界的に有名になりました。
「Z項」とは何か? 「自転軸の傾きに関する式に加えられた項のこと」だそうですが、難しくてわかりません。地球の自転軸の誤差を修正する項らしいのですが、詳しくはWikiでどうぞ。
敷地内の旧本館は1921年に建設され、1966年まで観測所として使われてきました。現在の本館ができて、取り壊しの話もあったそうですが、保存されることになり、2008年「奥州宇宙遊学館」として開館しました。
それと、直径20mもある巨大な電波望遠鏡は見ごたえがあります。
20m電波望遠鏡の手前には、以前使用していた旧・眼視天頂儀室と、3.3mパラボラアンテナが残されています。
旧・眼視天頂儀室は、1899年から1927年まで緯度観測が行われた建物です。観測時には屋根が東西に移動して開きました。
その隣にあるのが、3.3mのパラボラアンテナで、1987年にはじめて電波天文観測基礎実験を行った際に使われたものです。
それまでは、星を目で見て観測する光学観測が行われていましたが、星からの電波をパラボラアンテナで受信するVLBI観測により高い観測精度を得ることができるようになったのだそうです。
これが「日本最古のVLBI観測パラボラアンテナ」ということになるのでしょうか。
このあと、6m、10m、そして現在のVERA20m電波望遠鏡観測へと研究がすすめられてきました。
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