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2016/07/02

【犬狼物語 其の三十四】 埼玉県秩父市 三峯神社の「パワースポット」という「営業努力」

160701_1(三峯神社の「三ツ鳥居」とオオカミ像の狛犬)

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160701_3(文化7年(1810年))のお犬様(オオカミ)像とご神木)

160701_4(文化7年(1810年))のお犬様(オオカミ)像)

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160701_7(平成24年、辰年に現れた龍)

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埼玉県秩父市の三峯神社を参拝しました。

駐車場から階段を上り、坂道を50mほど進むと鳥居が現れ、筋肉質のオオカミ像に出迎えられます。この3連の「三ツ鳥居」は全国的にも珍しいそうで独特の雰囲気があります。

三峯神社は、秩父神社・宝登山神社とともに秩父三社の一社で、狛犬の代わりにオオカミの像が複数鎮座していますが、この中に、秩父で年代が分かっている最も古い、文化7年(1810年))の像があります。拝殿に上る階段の左右に鎮座しています。

細身の体形で、一見すると、キツネのようにも見えます。

社伝によると、景行天皇の時、日本武尊が東征中、雁坂峠を出たとき霧の道に迷ったそうです。そのときオオカミが現れ日本武尊を道案内しました。そして現在の三峯神社のある山に伊弉諾尊・伊弉册尊を祀りました。オオカミは三峯の神の使いになり、「御眷属様」と呼ばれるようになりました。

秩父でお犬さま(御眷属様)信仰が始まったのは、享保5年1720年)、三峯神社に入山した日光法印が、境内にオオカミが満ちたことに神託を感じ、「御眷属拝借」と称して、オオカミのお札の配布を始めたのが最初だと言われています。

「お犬様信仰」の仕組みは神社経営の方策でもあったそうで、ここにも「営業努力」があったわけですね。

そしてその「営業努力」は、現代では「パワースポット」という意味付けも付け加えられているようです。

「パワースポット」というのは現代版の自然崇拝とも言えるようで、その中のお犬様(オオカミ)は、自然を象徴とする存在ではないでしょうか。

宮崎駿監督の『もののけ姫』にもオオカミが登場します。白く大きな三百歳の犬神、モロの君です。もののけ姫のサンがモロの君に育てられたという設定でした。

日本ではオオカミは絶滅してしまいました。(生存を信じている人たちもいます) 森のカミが消える(カミを殺す)ということの意味は、文字通りオオカミを殺すこと以上に、自然との繋がりを断つものなのだなぁと思います。都会化した人たちの自然回帰で「パワースポット」が人気になっているのは、自然の成り行きではないかと思います。

境内のうっそうとした森の中を歩き、ひんやりとした空気に緊張感を覚えます。こころが引き締まるようです。

秩父一古い狛犬のそばには、推定樹齢800年の杉の巨木、ご神木がそびえたっていますが、参拝客は、ご神木に体を預け、自然からの氣を受けています。

なお、拝殿前、お賽銭箱の手前の床には龍の模様が。これは平成24年現れた模様だそうです。その年、干支は辰年でした。
 
 
 
 
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