2016年秋の撮影旅(34) 山形県米沢市田沢 「草木塔の里」
天童市のイエローハットでつるつるになってしまったタイヤを新品に交換してもらって、一路、埼玉を目指して南下します。
米沢市から喜多方市へ抜けるとき、田沢地区を通りましたが、今年6月来た時に知った「草木塔」を探してみようと思っていました。
草木塔とは、江戸時代中期から米沢市田沢地区に建てられた「草木供養塔」「一佛成道観見法界草木国土悉皆成佛」「草木塔」などと刻まれた石碑の総称です。
江戸期の草木塔が確認されているのは全国で34基ですが、そのうちなんと32基が山形県置賜地方に分布し、中でも米沢市田沢地区には10基が集中していて、「草木塔の里」と呼ばれています。
草木塔が建てられた理由ははっきりしていませんが、山林伐採や「木流し(川を利用した木材・薪の流送)」に関わった山里の人々の畏れや感謝や祈りが込められているのではということです。(道の駅「なごみの郷」リーフレット参照)
解説看板によると、安永年間の江戸大火や米沢城下の大火で、大量の木材が伐採され、その供養のため、という説もあるそうです。
草木塔だけに限らず、動物や海産物などの供養塔もあり、それは「命を奪う」ことに対する罪悪感を薄める効果もある、「命を奪う」ことで人間が生きていけることへの感謝を表すのが供養塔だという話は本で読んだ気がします。
草木塔は、自然保護などの世界的流れと合致する部分もあって、自然を考えるきっかけになることは間違いないのではないでしょうか。地味な存在ですが、その意味は大きくて、現代的だと思います。
と、いうことで、今回は一番古い草木塔を探してみました。ここから全国に草木塔が広がっていった可能性もあるとのことで、ここが発祥の地になるわけですね。「日本最古の草木塔」かも。
上に掲載した写真の草木塔が、一番古い1780年(安永9年)に建てられた「塩地平草木塔」です。
国道から少し奥に入った墓地の一角にありました。(昭和初期に移設されたそうです)保護のために屋根がかけられています。表面は風化していますが、かろうじて「供養塔」と読めます。(養の字は昔の字ですが)
にほんブログ村
| 固定リンク
コメント