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2016/10/30

【犬狼物語 其の四十九~五十】 東京都 蔵前神社「古典落語の元犬」と水天宮「子宝いぬ」

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落語に「元犬」というのがあります。

犬のシロは満願かなって人間に変身し、ご隠居さんに『四郎』という名前を付けてもらって仕事の世話をしてもらう。でも、奉公先では、つい犬の習性が出て失敗ばかりするというものです。

犬を飼っていなくても、くすっと笑え、「犬あるある」満載の落語です。

「白犬は人間に近い」という俗信をもとにしたものだそうです。(Wiki参照) だから逆に言えば、白犬は珍しかったのでしょう。そういえば、「おかげ犬」や「こんぴら狗」も、白犬が多かったという話を聞いたことがあります。白犬は格上だったのかもしれません。

その「元犬」の像がなぜ蔵前神社にあるのかというと、「元犬」には、犬がお参りする場所が「蔵前の八幡様」としている場合もあるそうで、これにちなんで、元は八幡宮だった蔵前神社に元犬像が建てられたようです。色は赤銅色(茶色)で、白ではないですが。

浅草在住の落語愛好家・庶民文化研究家三遊亭あほまろ氏の愛犬「ナナ」ちゃんをモデルに彫刻家、北郷悟氏が制作し、2010年奉納建立されたものです。

ところで、昭和9年(1934)に「蔵前」という町名が生まれたのは、ここに「浅草御蔵(御米蔵)」があったことに由来します。

江戸中期から幕末まで、浅草御蔵の前を「御蔵前」といいました。蔵米を取り扱う米問屋や札差の店が立ち並んでいたそうです。

「浅草御蔵」とは、江戸幕府の各地の天領から運んできた米などを収納した倉庫のことです。大坂、京都の二条城と合わせて三御蔵と呼ばれていました。

隅田川にかかる蔵前橋のたもとに浅草御蔵跡碑がありますが、これは昭和31年(1956)に建立されたものです。
 
 
もうひとつは、「安産祈願」の神社として知られた水天宮の「子宝いぬ」の像です。

東京メトロ半蔵門線の水天宮前駅を降りて地上へ出ると交番がありますが、その角を曲がって歩くと、白を基調とした通路があります。あとでこれは水天宮の一部だとわかったのですが、まぁ、超近代的な姿に驚きました。

今年4月に新社殿に生まれ変わっていたようです。免震構造も取り入れられていて、地震の時は、床が左右に動き揺れを緩和するようになっているそうです。新しいものと古いものが融合した未来の神社です。

拝殿でお参りしてから、子宝いぬの写真を撮ろうとしたら、長い行列が。赤ちゃんを抱いた親御さんたちが、子宝いぬといっしょに記念写真を撮ろうとして並んでいました。

俺も並んで、10分後、ようやく自分の番になり、前後左右から写真を撮りました。母犬の表情はどこか険しく見えます。子供を守っている姿なのかもしれません。

母親犬と子犬の頭は撫でられて、像の色が剥げ、金色に輝いています。周囲を取り巻く十二支の玉も、自分の干支を撫でると安産、子授け、無事成長など様々なご利益があるといわれているので、すべて金色になっています。

もともと犬は、お産が軽く、たくさんの子供を生むところから、安産の守り神でもありました。なので、戌(いぬ)の日はとくに多くの妊婦さんなどがお参りをするようになったそうです。

ちなみに昨日10月29日は、「甲申(きのえさる)」でした。戌ではないにも関わらず、あの混雑?

現代社会は、干支よりも、曜日の方が影響力ある時代になったようです。
 
 
 
 
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