2016年初冬撮影旅(05) 静岡県三島市 「三嶋暦(みしまごよみ)」
三島は富士山からの湧水が潤す美しい街です。文豪たちが愛した街で、水路沿いの遊歩道には文学碑が点在しています。
三嶋大社にも行きました。大鳥居をくぐってすぐ右側に大きな石があります。これは「たたり石」と呼ばれるもので、富士山の山体崩壊にともなう泥流によって運ばれてきたという。
「たたり」とはもともと糸のもつれをほどくなど「整理」の意味があり、旧東海道の真ん中にあって行き来する人を「整理」していたらしい。でも、石を動かすと災いがおこったりしたので、いつの間にか意味が「祟り」に変わっていったようです。
そしてここは「旧暦」と大いに関係のあるところだということを、社務所で「三嶋暦」を見て気が付きました。旧暦に関する本を読んでいるとときどき出てくる「三嶋暦」。そういえば「三嶋暦」の街でもあったと。すっかり忘れていました。300円でさっそく購入しました。
三嶋暦は暦師河合家が代々発行してきた暦です。暦はだれでも勝手に発行できるわけではなく、ちゃんと許可を受けた暦師しか発行できませんでした。
今はいいですね。「旧暦棚田ごよみ」を作っても、逮捕されることもないし。今は、天気予報士がそんな感じかな。勝手に予報を出すことはできません。
三嶋暦の起源はわかっていませんが、少なくとも鎌倉時代にさかのぼるだろうと言われています。仮名文字の暦としては日本で一番古いということです。(日本最古!!)
京都で発行されていた京暦に対し、関東では三嶋暦が独自の計算方法で編さんされて発行されていました。
三嶋暦は東海道を通る旅人のお土産としても有名だったそうです。江戸時代には道中記などにも三島名物として登場するほか、本陣宿泊客の盆暮れの贈答品としても利用されていました。
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