【犬狼物語 其の七十九】 岐阜県郡上市 盲導犬サーブの像
(日本まん真ん中センター 手作りの巨大円空仏『不動明王像』)
盲導犬サーブについては、名古屋の墓や像を紹介しましたが、もう一基、岐阜県の郡上市にもあります。
それは、かつて日本の人口を重さで表すと、重心が旧美並村にあったというところから作られた「日本まん真ん中センター」の近く、健康福祉センターさつき苑の駐車場にありました。
周りの環境のせいでしょうか、3本足で立つサーブの姿には威厳が満ちています。どうも名古屋内の像は、自転車置き場の近くだったりして、落ちつかないところに立っていたので、それと比べてしまいます。
ここの「盲導犬 サーブの像」の文字は、設置当時の内閣総理大臣、海部俊樹氏が揮毫したものです。
また台座にはこうあります。
「盲導犬サーブよ あなたは全盲のご主人を交通事故から守ろうとして 自らの命までを投げ出そうとした そのためにあなたは 三本の足になってしまったけれども 私たちは教えられたのだ あなたの勇気と真実の愛を 私たちがめざすべき あたらしい心の時代を」
そうですね。犬は人間の心を映す鏡でもあるのでしょう。自己犠牲の精神は、なかなか人間には難しいことでもあって、だからなおさらハッとさせられるのです。
あらためて簡単に盲導犬サーブの話を書いておくと、
1977年(昭和52年)4月8日に生まれた雌のシェパード、サーブは名古屋市の中部盲導犬協会で訓練を受けた後、岐阜県のマッサージ治療院を営む男性を主人としました。
岐阜県郡上郡美並村(現・郡上市)の国道156号で、雪でスリップした車が突っ込んできて、サーブの主人であった男性をかばって重傷を負い、それが原因で左前脚を切断してしまいました。
この事故がきっかけとなって「盲導犬は視覚障害者の身体の一部」であるとの認識が広がり、事故にあった盲導犬にも自賠責保険が支払われるように法律が改正されました。
1988年(昭和63年)6月13日未明、老衰のため11歳で永眠しました。墓は名古屋市の長楽寺動物霊園にあります。
長楽寺の墓前には点字といっしょに、
「盲導犬たちよ。天国で遊んでください。盲人の目となり最良の友となり、明日への光となって愛と献身に生きたあなたたちの日々は私たちの心に生き続けています。盲導犬たちよハーネスを外して飛び跳ねてください。」
という碑文が掲げられています。
にほんブログ村
| 固定リンク
コメント