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2016/12/09

【犬狼物語 其の百八】 東京都港区 フェルナンド・ボテロの「DOG」、グランちゃん

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JR田町駅東口を出て数分のところにグランパークビルがあります。その緑豊かな庭ににどんと構えているのが、一度目にしたら忘れられないインパクトのある犬像です。

むちむちの体形で、舌をちょっと出して行儀よくお座りしています。

コロンビア出身の画家フェルナンド・ボテロ(Fernando Botero)、1993年製作の「DOG」です。「グラン」と愛称が付けられていて、グランパークプラザのシンボル的存在です。

このグランちゃんを含めて、フェルナンド・ボテロの作品である人物や動物はどれもふっくらした、むちむちのフォルムが特徴的で、見る人を思わず微笑まさずにはいません。

近代的なビル群に囲まれた直線的な環境にあると、このグランちゃんの曲線が絶妙な癒しポイントにもなっているような気がします。あるいはパワースポット的な存在でしょうか。いずれにしても、グランちゃんがこれからも愛されていく犬像のひとつであることは確かです。

独特のフォルムは「風刺」と解釈されることが多いそうですが、ボテロ自身は次のように言っています。

「芸術家は、理由など知らずにある形に引き付けられる。理屈をつけて正当化するのは後からすることだ」

たぶん、本音なのでしょう。理屈で見てしまうと、グランちゃんの抱き着きたくなるような「むちむち感」が削がれてしまうような気がします。

グランパークのロビーには、フランク・ステラの作品などもあり、アートが囲われてしまうのではなくて、不特定多数に公開され、人々の心を豊かにし、潤いを与え、街を生き生きと輝かせます。

アートがビル空間に増えていくのは、新しい都市の風景なのでしょう。そういう意味で、グランちゃんは最先端にいる犬像なのかもしれません。

なお、ニューヨークにある、ザ・キタノ・ニューヨークホテルのロビーにも、グランちゃんと似ているボテロの犬像が置いてあrそうです。
 
 
 
 
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