今日は、二十四節気「冬至」、七十二候「乃東生(なつかれくさしょうず)」
(夏至のころの「靫草(ウツボグサ)」、別名「夏枯草(カコソウ)」)
冬至は、北半球では一年のうちで昼が最も短く、夜が最も長くなる日です。
「旧暦」にかかわって、いろいろと調べていて、なるほどと感心することがあります。
その中のひとつ、冬至・夏至が暦作りをする上で、重要な発見だった、という話があります。
大昔の人たちは、太陽が1年かけて変化していることよりも、月が1ヶ月で変化していることにより容易に気がついただろうということは想像できます。月は毎晩形が変わっていくことは肉眼でもわかるので。
だから現在、世界中のいろんな暦がだいたい1ヶ月が30日前後という暦です。
これは偶然ではなくて、おそらく旧暦のルーツでもある太陰暦(月の満ち欠けを周期とした暦)が先に作られて、その後、太陽暦に変わっても、それが踏襲されたということらしいのです。
一方、月の満ち欠けの周期に比べて、太陽の運行を基にした冬至や夏至というのは、かなり注意深く、かつ長年にわたって観察しないとわからないものでした。精密な機械や時計がなかったのでなおさらです。
でも、だれかいたんでしょうね。粘り強い観察者が。いや、その当時の支配者の命令だったかも知れず、逆らえなかったのかもしれませんが。天体の動きを正しく把握し、予想して、人民に安寧を約束するのが支配者の役目でもあったし、義務でもありました。天体の未来を予想する暦作りは、支配者には重要な仕事だったのです。
いずれにしても、毎日、毎日、棒を立てた日時計のようなもので、昼ころ、太陽の影の長さを測って、その日、一番短かくなったときの長さを記録する。それを何年も繰り返して、ようやく規則性みたいなものに気がついたことでしょう。気の遠くなるような作業ですね。
棒の影が一番長くなる日(冬至)と、一番短くなる日(夏至)と、冬至から冬至までの間隔が、365日くらいであることを。1太陽年の発見です。
新暦(グレゴリオ暦)の1年の元旦と、クリスマスが、冬至の日に近いことも偶然ではないそうです。
冬至を1年の始まりにした暦がありました。それと、冬至を祝うところは多く、実はクリスマスも冬至祭が起源だそうです。
冬至には、特別な意味がありました。
「一陽来復」という言葉には、陰の気が極まって陽の気が生じるという意味があり、冬至のことを指す場合があります。「悪いことが続いたあと、ようやく物事がよい方に向かうこと」という意味もあるそうです。(デジタル大辞泉参照)
「二十四節気」の冬至は次の3つの「七十二候」(略本暦)に分かれます。
●初候 乃東生(夏枯草が芽を出す)
●次候 麋角解(大鹿が角を落とす)
●末候 雪下出麦(雪の下で麦が芽を出す)
冬至の対に当たるのが、一年で最も昼が長い日「夏至(げし)」です。そして夏至の初候は「乃東枯(なつかれくさかるる)」で、これも「乃東生」と対になっています。
「乃東」というのは、「靫草(ウツボグサ)」のことで、冬至のころに芽を出し、夏至のころに枯れることから別名「夏枯草(カコソウ)」といいます。写真は夏至のころに撮影したウツボグサ(カコソウ)です。
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