不可解なキム・ジョンナム暗殺事件
なんだか解せないところがあります。
実行犯のベトナム人とインドネシア人の女性ふたり。防犯カメラの映像や、ふたりの証言、そして彼女が泊まっていたホテルの従業員の証言、祖国での家族、友人との会話、犯行わずか8時間前の笑顔ではしゃいでいる動画、そんなもろもろを考えると、今の時点では、彼女たちは利用されたのではないか、という気がします。
そしてアイシャ容疑者が、日本人と名乗る男にいたずら番組への出演を依頼されたというのは、妙にリアルです。ネイティブな日本語かどうかは、インドネシア人にはわからず、「日本人」はインドネシア人には信用されているので、工作員が日本人を語ったというのはありえることでしょう。(以前、怪しい日本語をしゃべるカップルについてはこちらに書いています)
マレーシアの警察は、ふたりがリハーサルしていたということを計画的殺人の理由としてあげていますが、そんなこと素人でも、「いたずら動画」のリハーサルだってあることは想像できるので、根拠は薄いと言わざるをえません。
警察は最初から毒だと知っていて、「素手」でやったと言っていますが、そうは見えないところも、よくわからない。(警察は手袋を回収できなかったことで、そう主張しているのかも) それと毒だと知っていたとしたら、それが付いた手で髪をかき上げたりするんでしょうか。
しかも、現場は、かなりの間、放置されていて、あとになって規制線を張って、VXが残っていないか調べるというおかしなことをやっています。どうして数日後だったのか。まるで証拠がなくなるのを待っているように。
そこに来て、昨日は、逮捕されていた北朝鮮籍の男が強制送還されるかも、というニュースです。
あれ?と思います。
俺たちは、何か、大きな間違った方向でこの事件を見ているのかもしれません。そのストーリーを信じると、そうとしか見えなくなるということもあります。
マレーシアは、国家の威信をかけて、北朝鮮と闘っているのでしょうか? 「悪の北朝鮮」と闘う「真実を追求するマレーシア」という構図は、本当なんでしょうか?
日本人が北朝鮮に持つイメージと、マレーシア人が持つイメージは当然違うだろうし、事件前までは2国は「友好国」だったのです。
ここからはあくまでも可能性の話です。マレーシアと北朝鮮が裏で何らかの「手打ち」をしているなどということはないと思いますが(あるかな?・・・)、まだ賄賂が有効であると言われるマレーシアが、すべて正しい情報を出しているのかどうか、ちょっと疑ってみる必要があるのかも、とは思います。日本人的感覚でこの事件を見るのは間違っているかもしれません。
マレーシアも、迷惑だなぁとは思っているのは確かでしょうが、できれば、北朝鮮の関与をうやむやにして、早く幕引きしたいのかもしれません。
そして俺はどうしても、この事件を思い浮かべてしまいます。直接は関係ないのですが…。
竹内被告は一貫して「知人に頼まれて荷物を運んだだけで、中身は知らなかった」と無罪を主張していたようですが退けられ、2015年最高裁で死刑が確定してしまいました。
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