『全国の犬像をめぐる : 忠犬物語45話』が書店に並び始める
『全国の犬像をめぐる : 忠犬物語45話』が書店に並び始めているようです。
知り合いからは「棚田写真家」から「犬像写真家」に転身したのかと、ちょっと違和感を持たれているようにも感じています。
対象が「棚田」という風景から、「犬像」という物になったので、「ぜんぜん違う」と思う人の気持ちもわかります。
でも、俺にとって、このふたつは、それほどの違いがないのです。
こういう理由です。
ひとつは、被写体としての対象は違うのですが、「日本を知る」という意味では同じです。日本を知る「切り口」の違いでしかないんですね、自分としては。どちらも「日本を知る」ための被写体のひとつなのです。
もうひとつは、「巡礼」とか「旅行」という方法に着目すれば、このテーマが似ている、そのものだということはわかってもらえるかもしれません。
前も書きましたが、動物には「探求欲」というのがあって、「探すこと」それ自体に意味があるということなんです。犬も探求欲がありますが、探し出した途端、興味を失うこともあるそうです。「探すこと」そのこと自体に価値があるのですね。
たとえば、過去、俺が写真のテーマにしたものを上げると、
「中国雲南省の少数民族」
「メコン川の源流から河口まで」
「世界と日本の棚田」
「秩父の祭り」
「犬がいる日本の風景」
「東北被災地のお遍路」
そして今回は「全国の犬像」。
どれも、いろんなところに点在しているのを、1ヵ所、1ヵ所めぐり歩いて、探し出して、そして全体像を掴む、という方法はまったく同じです。これは俺にとってはすべて「巡礼」です。
こういう2つの理由から、犬像と棚田とは、自分のなかではそれほど大きな違いではなく、むしろ、同じようなもの、というふうに感じているのです。
それと、テーマを決めてから旅するわけではなく、旅していて、自然に生まれてきたテーマだということも関係しているのではないかなと思っています。自分では意識していませんが、その時、その時、心が欲しているものがテーマとなる、俺なりの心の必然があるのでしょう。
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