【犬狼物語 其の百二十六】 茨城県石岡市 17年間、主人を待ち続けたみんなのタローの像
茨城県のJR石岡駅西口前の広場で新しい犬像の除幕式が行われたのは、2017年4月15日のこと。
「みんなのタロー」という犬像です。以前から駅の待合室には忠犬タローを紹介する写真パネルが掲げられていましたが、今回、この物語を語り継ごうと、犬と子どもたちのブロンズ像が建てられました。
タローとは、どういった犬だったのでしょうか。
1964(昭和39)年、石岡市立東小学校に1匹の犬が迷い込んできました。その犬はタローと名付けられ、学校で飼われることになりました。
その後、タローは、学校から2km離れたJR石岡駅に通うようになりました。地元の人たちは、誰かを待って駅通いをしているのでは、と思っていたようです。
81年の夏、タローが亡くなりました。学校で追悼式が行われ、石岡市には動物の墓地がなかったので、20kmほど南にある土浦市内の墓地に葬むられました。
その後、奇跡は起こります。
同小創立50周年記念誌にタローの写真が載りました。その写真を見て、元の飼い主である女性から連絡がありました。当時彼女は自宅のある玉造から、石岡の幼稚園に電車で通っていたのですが、45年前に石岡駅で別れてしまった愛犬のコロに間違いないと。
毎日忙しい両親に代わってコロが自宅から玉造駅まで見送ってくれていました。頭をなでると、自宅に帰っていたのですが、その日、頭をなでるのを忘れたのか、コロは電車を降りずに、そのまま石岡駅までいっしょに来てしまいました。
石岡駅では、「お嬢ちゃんの犬?」と、改札口で駅員に聞かれました。犬を乗せたことを怒られると思って首を振りました。それでコロは追い払われてしまいました。それがコロとの別れになってしまいました。
彼女はショックで熱を出し、10日間寝込んでしまいました。家族は石岡駅周辺へ6回も捜しに行きましたが、見つかりませんでした。
そして45年後、コロの消息を知ったという奇跡の物語です。
最近、この像に、花やお賽銭がお供えされるようになっているそうです。手を合わせていく人も多いそうです。現代版、お地蔵さんですね。
東京都麹町にある「甲斐犬の像」もそうでした。こういうものができると、供養碑・慰霊碑のような感覚を持つのが日本人なのでしょうか。手を合わせたくなるのです。いや、手を合わせる物が欲しいのかもしれません。
ただ残念なことに、500円玉はすぐになくなってしまい、1,5、10円玉だけが残されているんです、という話を聞きました。
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