【犬狼物語 其の百二十四】 東京都 代々木八幡 出世稲荷社の狼像
この狼像(お犬さま?)を前もってネットで知っていたからわかったものの、何の予備知識もなく訪ねて、この像を見て「狼」だと気が付いたとしたら、よほどの狼像通と言えるんでしょうね。そういう人は、認知心理学でいう「ポップアウト効果」で、「目に飛び込んでくる」はずです。
俺にはまだ無理でした。予備知識があっても、見過ごしてしまいそうでした。腹のアバラでかろうじて「これだ」とわかった程度です。
代々木八幡の拝殿の右側に出世稲荷社があります。
出世稲荷社の案内板にはこのようにありました。
「第二次大戦末期の昭和二十年(一九四五)五月二十五日夜、このあたりは米軍の空襲により大きな被害を受けた。幸い神社は焼け残ったが、周辺は一面焼け野原となり、その焼跡には家々で祀っていた稲荷社の祠や神使の狐などが無惨な姿をさらしていた。それらを放置しておくのはもったいないと、有志の人々が拾い集め、合祀したのがこの稲荷社の最初で戦災の記憶と平和の大切さを偲ぶよすがともなっている。」
赤白の幟旗が立って、真っ赤な鳥居をくぐります。赤いよだれかけをかけたキツネ像がたくさんいました。稲荷神社と言えば、キツネ像。この中に一体だけ狼像があるというんですが・・・
稲荷社の右側に富士講などの山岳信仰の碑がありました。「登山四七度」とあります。
その碑の左わきに、光線の加減でアバラが現れた像があったのです。これがネットで探した神使いと思われる狼像でした。
これも空襲で焼け残った像なのでしょうか? ちょっと年代はわからないので、なんとも言えませんが、おそらくそうなんでしょう。
ところで、ここもパワースポットであるらしく、次から次にお参りする人がいました。「出世」という名前がいいのかもしれません。神社はパワースポットになるような営業努力もちゃんとしているんだろうなと思います。
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