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2017/06/07

【犬狼物語 其の百三十五】 山梨県北杜市 増富温泉郷の送り狼像

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山梨県北杜市に増富温泉郷があります。その温泉郷を少し上った本谷林道に、狼の像があると聞いて寄ってみました。

狼ではなくて、狐のようにも見える可愛らしい像です。

像の隣に、「本谷林道の送り狼」の解説看板が立っています。それによると、

「江戸の昔、増富温泉から信州峠を経由して佐久へと抜ける道は、重要な往還として人々の往来が多かった。夜には暗闇の道になった。夜道を歩くと必ずだれかが後をつけてくる。止まると、その気配も止まる。振り返っても姿を見せない。人々は気味悪がって妖怪かもしれないと、坊さんや行者に頼んだが、一向に収まらない。そのうち猟師が仕掛けた罠に一匹の大きな狼がかかった。「人を食おうとして後をつけたのだろう」と言って殺してしまった。それからは夜道に後をつける気配はなくなったが、反対に、熊や猪に襲われるようになった。「あの狼は、村人の安全を守ってくれていたに違いない」皆は初めて送り狼の行為を理解して厚く葬ったとさ。」(要約)

写真を撮っていると、どこからともなく、何かの鳴き声が。見ると、狼ではなく、雉でした。5mくらいまで近づきましたが、草むらの中へ入っていってしまいました。

「送り狼」というと、最近では、良からぬ下心を持った男のことを言うようですが、昔の、本当の送り狼は、このように、人を襲わなかったという話が伝わっています。興味を持って近づいても、近づきすぎないので、「気配」だけ感じるということだったのでしょう。

狼はいなくなったら、反対に、熊や猪に襲われるようになったという話は、今の時代にも当てはまりそうな話です。
 
 
 
 
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