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2017/07/09

「狼伝承と登る七ツ石山展」

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赤坂・ドイツ文化会館での「狼伝承と登る七ツ石山展」へ行ってきました。

これは丹波山村の七ツ石山にまつわる古い伝承(将門伝説)や狼信仰について、ペン画、水彩画、写真、お札・古文書のコピーなどの資料を展示して紹介したものです。

「狼」で検索したネットの情報で伺ったわけですが、とても興味の魅かれる催し物でした。ちょうど今回の写真・企画を担当した写真家の佐治多さんが会場にいて説明をしていただきました。

佐治多さんが撮影した七ツ石神社の写真には見入ってしまいました。社殿が傾き、今にも崩壊寸前で、それを一本の柱が支ええているような姿です。

社殿前の石像も片方は形がわからず、もう片方も崩壊寸前です。この前飛騨高山周辺で見た「はじめタイプ」の狛犬のようで、奉納された年代はかなり古いものだと思われます。

ところで、展示されていた古文書によると、この神社は三峯神社の奥宮だったようなことが書いてあります。本当に奥宮だったのかはわかりませんが、少なくとも、三峯神社とはかかわりがあり、この像もご眷属の狼像であることがわかったそうです。

「なんでこんなところに?」と思ってしまうのは、山の下の里で暮らし、自動車道路が便利だなと思い込んでいる現代人だからであって、考えてみれば、昔は雲取山を中心に、南北を結ぶ道だったわけで、むしろこの道が人と情報を運んだメインの街道と言ってもいいのかもしれません。だからこの神社の存在価値も大きかったはずです。

玉川麻衣さんの描いた狼の絵もすばらしいですね。鬼気迫るものを感じます。玉川さんは狼を生物学的な狼ではなく、むしろ信仰の対象として(つまり「ご眷属」「お犬さま」として)描いているようです。昔の石工が信仰の対象としてお犬さまの石像を造り上げたと同じようなものを絵から感じました。

今、神社の再建の計画もあるそうです。崩壊寸前の姿も迫力がありますが、新しい狼信仰(山岳信仰)・山の安全を見守ってくれる神社として再建されることを期待しています。

そのうち、七ツ石山に登ってみようと思います。
 
 
 
 
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