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2017/07/01

【犬狼物語 其の百五十五】 埼玉県志木市 弥生時代の犬像?

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道路拡張の区画整理の時に出てきた「西原大塚遺跡」で、ある土製品が、平成7年度に発見されました。

それは志木市埋蔵文化財保管センターに展示されている「動物形土製品」と呼ばれるものですが、本のあとがきにも書いた通り、今「犬像病」なので、俺の目に、これは「犬」とか「狼」にしか見えません。

管理センターのスタッフによると、以前は「弥生の犬」と呼んでいたそうですが。学問的にまだ「犬」と確定していないので、正確を期すために今は「動物形土製品」と呼んでいるそうです。

もしこれが「犬」だとすると、全国でも土製品としては唯一の資料(弥生時代では?)になるようです。両耳は立っていて、巻尾で、口までちゃんと表現されています。小型犬のようです。

遺跡は弥生時代後期から古墳時代前期のものです。この犬と思われる土製品は、1軒の住居の床から発見されました。

発見場所は特別変わった場所ではなく、何かの副葬品というのでもないようです。だから用途もわかりません。(ちなみに、隣に鳥形の酒器らしい土器が展示されていましたが、これは墓から出土した副葬品だったらしい)

不思議です。てっきり犬像は、いろんな遺跡からたくさん出土しているものとばかり思っていたので。

その勘違いは、埴輪を多く目にしていたところから来ているのかもしれません。6世紀ころの古墳時代に出土した犬埴輪を見ると、立耳巻尾です。

どうして弥生時代に犬の像がないのか。縄文時代に、犬は狩猟に用いられましたが、弥生時代になると、食用にもなっていたそうです。

ただ、少なくともこれは食用になった犬ではなく、動かしたり、置いたりして遊ぶ玩具だったのではないでしょうか。お守り、ということも考えられます。

それともアート作品だったのでしょうか。多種多様なスケール感の面白さを追求するBIG ART、SMALL ARTというのがあります。実物より、大きかったり、小さかったりするだけで、面白さを感じるのです。特に小さいものに対しては、可愛らしさや、「守ってあげたい」的な母性本能をくすぐられます。

現代でも、箱庭療法として、砂場にミニチュアの人形や動物を置いて自己表現することで、精神的な安定や安らぎを得る、ということも行われています。

これはミニチュア玩具、フィギュアのルーツであるかもしれません。
 
 
 
 
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