【犬狼物語 其の百五十七~五十八】 東京都杉並区 慶安寺の犬像&方南大山神社のお犬さま(狼)像
地下鉄丸ノ内線の駅、新高円寺を地上に出ます。懐かしい駅前です。今から30年ほど前、この近くのアパートに数年間住んでいました。
今回目的地の慶安寺は、駅から南へ約300mほど行った閑静な住宅街にあります。昔住んでいたところからは約1km離れたところでした。
寺の住職が、門前を掃除していたので「犬像があると聞いて来たんですが」と尋ねましたが、最初わからないようで、何度か尋ねるうち、「あぁ、それなら、このことかな」と言って、木々に囲まれた東屋ふうの一角に案内してくれました。
犬の像はかなり古く見えます。「戦前のものだと思うよ」と住職は言いました。だれか檀家の愛犬だったのかもしれません。記録は残っていないそうです。
像はざらざらした肌に苔が生えているので、うっすらと緑色しています。姿はビーグル犬そっくりです。
ただ、どうしてこういう造りにしたのかわかりませんが、少しうつむき加減で、どことなく寂しさが漂っています。怒られてうなだれるヴィーノのようです。
ところで犬像は、もともとはこの場所にあったわけではないそうです。
慶安寺の本堂は昭和40年ころ改築したもので、平成5年ごろ増築した時に、墓地へ続く通路に並んでいたたくさんの石仏と、この犬像を今のところに移しました。
この墓の下には、住職の愛犬3匹を含む10匹が葬られています。今でも、檀家でペットが亡くなった時は、希望があればここに納骨するようにしているという。
なお、境内には、杉田玄白ら4人とともに、『解体新書』の翻訳にあたった蘭学者、前野良澤の墓があります。墓地の一番奥の壁に接する一角で、前野家の墓地区画内にありました。
もう一ヵ所は、地下鉄丸ノ内線の方南町駅から、商店街を300mほど下ったところにある大山神社です。
小さな社ですが、1対のお犬さま像は、三峯神社の三ツ鳥居前に鎮座する狼像と似た姿です。小ぶりながら立派なお犬さま(狼)像です。境内には大山、御嶽山、榛名山の合祀記念碑が立ちます。
なお、隣は東運寺で、安寿と厨子王の故事由来の大釜が奉納されていて「釜寺」の通称で親しまれています。
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