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2017/08/20

大混乱のアメリカ

170820


アメリカは大混乱です。

大統領によって、こんなにも国が変わるのか、と驚きます。

「人は見かけが大事」というのを、負の面から示しているのがトランプと言えるでしょう。白人至上主義、人種差別はまさにこれです。

必ずしも見かけで判断することが悪いことではないし、いや、これがあるからこそ、瞬時に敵か味方かを判断することができる、動物が生き残るために獲得した術だったということでもあります。

日常的に、俺たちは人を見かけで判断します。「男か女か」とか「白人か有色人か」とか、または「ハゲか、ハゲでないか」などなど。見かけが似ている者同士は親近感・安心感を覚えます。反対に見かけが違うと恐怖感・不信感が生まれます。

見かけは目立つのです。わかりやすいのです。たとえば、「思想」や「思考」などは、その人の行動をしばらく見てみないと、外見から判断するのは難しい。時間がかかります。

にもかかわらず、見かけによってその「思想」や「思考」も推理して判断してしまおうとします。まぁ、ぼやぼやしてたら、こちらの身に危険が及ぶかもしれないので、しかたない面もあります。そのとき、その人が持っている判断の偏りが差別につながります。

この偏りがない子供は、だから、差別はしません。差別は、学習です。あとで大人から学びます。大人がその判断の偏りを教えているのです。とくに悪い方への偏りが問題です。

でも、人類はもっと賢くなりました。同じ見かけの人間が必ずしも同じ思想・思考を持っているわけではないのは当然だし、見かけだけではなく、いろんな種類の人間がいた方が、人類が生き残れるのだということを学んできたはずなのです。

なぜアメリカが世界一番になれたのか。それはいろんな人間たちがいたからということではなかったのでしょうか。アメリカがアメリカである一番大切な部分を否定しているトランプです。

白人至上主義的、人種・宗教差別的発言をずっと繰り返してきたトランプですが、今回のことは決定的かなと思います。経済界からも匙を投げられたことは、雇用を守ると言ってきたトランプには致命的でしょう。「弾劾」の可能性が高まってきました。

トランプは、支持者さえつなぎとめておけばいいと考えているんでしょうが、雇用がうまくいかなくなったら、その支持者さえも反旗を翻すでしょう。たぶん、それは「倍返し」です。恐ろしいことが起こるかもしれません。

ただ、支持者のなかでも、コアな支持者は、トランプを非難することはなく、むしろ逆で、ますます団結し、白人至上主義、人種・宗教差別主義などの正当化を進めるのかもしれません。

トランプ支持者をカルト集団と比べるのはどうかと思いますが、こんな研究があります。

それは、オウム真理教でもそうでしたが、カルトなどの集団は、外側からの圧力が強まるほど、内側の団結力が強まるという心理学的研究です。

トップがだめだとわかっても、コアな支持者は、トップを否定することは自分のすべてを否定することになってしまうので、かえってトップをほめたたえ、熱狂するということがあるようなのです。

この研究は、新興宗教内部に潜入し調査したレオン・フェスティンガーらによる『予言がはずれるとき』というもので、「認知的不協和理論」を唱えました。現実は変わらない、なら、自分の認知の方を変えてしまって、心の安定を求めるという理論です。
 
 
 
 
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