【犬狼物語 其の百八十五】 神奈川県川崎市 子母口 橘樹神社の子連れお犬さま像
川崎市高津区子母口(しぼぐち)の橘樹(たちばな)神社を訪ねました。静かな住宅街のなかにあります。
昔、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のとき、海が荒れていたので、海神の怒りを鎮めようと、妃の弟橘媛(おとたちばなひめ)が海に身を投じました。ここに媛が身につけていた着物・冠が流れつき、冠塚を造り、武尊は帰りにこの場所に立ち寄って、媛をまつる社を建てたそうです。
ここは高台になっていますが、伝説の、媛が身につけていたものが流れついたという話が、現在の地図を見ると、違和感を覚えましたが、昔は、近くまで海が迫っていたそうで、なるほどと思います。
子連れの像が2対鎮座します。1対は新しい像で、拝殿前にあり、平成2年(1990)に造られたものです。
境内の左手、山岡鉄舟の書による石碑「日本武(やまとたける)の松」の前左右に、先代の像が護っていますが、こちらは明治13年(1880)に造られたもので、新しい像のコピー元だそうです。
子連れの像は、本来なら日本武尊に縁があるなら眷属の狼(お犬さま)像なのでしょうが、ほとんど犬のように見えます。
これは犬なのか、狼なのかという気になる部分はありますが、そこは「お犬さま」の特徴でもある、生物学的な区別とは関係なく、あくまでも信仰のイメージということでしょう。
「子連れ」というのは、地名の「子母口」からの連想だという説や、日本武尊と弟橘媛との夫妻が縁結び(子宝)にご利益があるからという説があるようですが、よくわかりません。
神社の近くには、子母口貝塚、子母口富士見台古墳もあります。
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