【犬狼物語 其の百八十九】 東京都青梅市 武蔵御嶽神社のお犬さま
東京都青梅市にある武蔵御嶽神社は、狼信仰の神社で、最近は、愛犬と参拝する人も多いと聞いていました。
それで俺たちもヴィーノの健康祈願のために参拝することにしました。
ケーブルカーの出る滝本駅に着いたのが土曜の午前6時45分。すでに数台の車が駐車場が開くのを待っていました。駐車場は7時10分ころ開いて車を停め、切符を購入。御岳山駅まで片道大人590円、ペット130円でした。
ペットを乗せるスペースはケーブルカー車両のはじにあるので、リードをしていればそのまま乗車できます。
約10分で御岳山駅に到着です。そこから御師の宿や国指定天然記念物の「御岳の神代欅」や土産物屋(時間が早いのでまだ閉まってましたが)を抜けていくと、鳥居の前に出ます。
手水舎には犬専用の水場もありました。
江戸時代後期、御嶽神社のお犬さま信仰」は関東一円に広がりました。江戸・武蔵・多摩・相模など各地の御嶽講が建てた碑が参道にずらりと立ち並んでいます。どれだけ信仰が篤かったのかよくわかります。
長い階段を上っていくと、どっしりとした狛犬に守られたけっこう派手な色彩の拝殿に到着です。
その左脇には授与所があります。お犬さまのお札やお守りを戴きました。左向きの黒いお犬さまの姿が配されたお札です。お犬さまのお札としては、大型のものです。
ここには、三峯神社と同じように、日本武尊の伝説も残っています。
武蔵御嶽神社のHPより引用すると、
「日本武尊が東征の際、この御岳山から西北に進もうとされたとき、深山の邪神が大きな白鹿と化して道を塞いだ。尊は山蒜(やまびる)で大鹿を退治したが、そのとき山谷鳴動して雲霧が発生し、道に迷われてしまう。そこへ忽然と白狼が現れ、西北へ尊の軍を導いた。尊は白狼に、大口真神としてこの御岳山に留まり、すべての魔物を退治せよと仰せられた。」
境内の本殿後ろ側には摂社・末社がありますが、何年か前のブログを見るとペットも入れたようですが、現在ペットは入れないので、妻とヴィーノには拝殿前のベンチで待っていてもらい、ひとりで参拝しました。
拝殿背後にある、本殿登り口にブロンズのお犬さま像が鎮座しています。立派な像です。近づけないので、柵の間から撮影です。
常磐堅磐社は旧本殿で、明治10年に現在の社殿に建て替えられた際、ここへ移築されました。寛保3年(1743年)奉納の一対のお犬さま像が護っています。
御岳山(929m)の山頂碑があり、オオカミを祀っている大口真神社があります。大口真神は、オオカミを神格化した神です。
一対のたてがみも凛々しい新しい石像が護っていますが、これは平成19年3月に奉納されたもの。
さらに左後方奥には、日本武尊を祀る奥宮の遥拝所があります。奥宮がある峰は、男具那ノ峰で、別名甲篭山と呼ばれています。
拝殿前に戻り、今度は俺がヴィーノと待って、妻が参拝しました。
帰りは、ケーブルカーには乗らないで、滝本駅の駐車場まで登山道を下りました。けっこう急坂でしたが、これから参拝するという犬連れの人たちにたくさんすれ違いました。中には、チワワを連れた人もいて、階段は抱っこして上るしかないなぁと思いました。
神社のHPによれば、お犬さまは、病魔・盗難・火難除けなどの災除けの神として、登山や旅行安全の神として、また、「おいぬ」は「老いぬ」にも通じるところから、健康・長寿の神であり、戌は安産・多産なことから、安産・子授けの神としての信仰を集めるようになっているそうです。
現代でも「お犬さま」は生物学的な「ニホンオオカミ」とイコールではなく、あくまでも信仰上の「山に棲むイヌ科動物全般」のイメージです。「お犬さま」に現代的なご利益が加わっていく(新しい物語が生まれる)ことで、お犬さま信仰はこれからも生き続けていくのではないでしょうか。
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