« 「東北お遍路展」開催 2017年10月25日~10月30日 | トップページ | 【犬狼物語 其の二百一】 山形県高畠町 安久津八幡神社 狛犬か?狼像か?高安犬像か? »

2017/10/25

【犬狼物語 其の二百】 福島県飯舘村 山津見神社の狼の天井画

171025_1

171025_2

171025_3

171025_4

171025_5

171025_6

171025_8

171025_7

171025_9

171025_0


この【犬狼物語】のシリーズも200ヵ所を迎えました。これからもしばらくはシリーズは続きます。犬像・狼像の情報は、日々増えていて、最終的にどのくらいの数になるか想像できません。

それにしても、これだけ犬像・狼像がある国も珍しいのではないでしょうか。

犬像・狼像の背後にある物語・伝説に興味がわいてきました。ユング心理学の深層心理(無意識)としての解釈が、自分がなぜ魅かれるのかという問いの答えとしてしっくりきます。
 
 
 
浄土平天文台のチロ像から福島市内を経由して、飯舘村の山津見神社へ向かいました。

飯舘村は、阿武隈山系北部の高原に開けた自然に恵まれた村で、2010年9月に「日本で最も美しい村」連合に加盟しました。畜産業に力を入れ、黒毛和牛の「飯舘牛」はブランド牛として高い評価を得ていました。

それが震災後、住民は移住を余儀なくされてしまいました。未曽有の災害に巻き込まれてしまうとは、誰が想像したでしょうか。今も、住民の多くは戻っていません。

神社の手前で、左手前方に切り立った岩山がちらりと見えました。スリランカのシーギリヤ岩山ほどではありませんが、これは何かあるなと思えるような特徴的な岩山で、案の定、神社はその直下に鎮座していました。神社は大きな敷地で、由緒ある神社だと推察できます。

鳥居を入り参道を進み、階段を上り切ると、1対の狼像、さらに拝殿前にも1対の狼像と、左側にはヤマトタケルの像が置かれています。山津見神社の神の使いは狼で、お札も授与されています。

2013年4月1日に火災が発生し、社殿と宮司宅が焼失しました。拝殿は2015年6月に再建されたものです。だから新しい。何と、拝殿の入口は自動ドアです。

拝殿に入ると、狼が描かれている天井画が目に飛び込んできました。山津見神社と言えば、これが有名な天井画(眷属絵画)です。231枚、どれひとつとして同じ姿はない、親子、夫婦、単独の狼の画で天井が埋め尽くされています。

この神社が焼失する2か月前、たまたま研究用に天井画が1枚1枚記録写真に撮られていたのだといいいます。だから写真をもとに天井画を復元することができました。画の位置は同じではないそうですが、すべての画は復元されています。復元したのは東京芸術大学の学生たちです。

ところで、さっき車から見えた特徴のある、あの岩山の頂上付近に本殿が鎮座し、最後のところは梯子を上っていくという切り立った岩山です。

この山は「虎捕山」と呼ばれます。約900年前、橘墨虎という凶賊がいました。永承6年、人々が墨虎を退治してほしいと訴えたことで、源頼義は部下に命じて、墨虎を討たせました。だから「虎捕山」。

てっぺんからは晴れたら浪江町の海まで見えるそうです。虎捕山は、海が見える神の山として崇められ親しまれてきました。山の神は、はるかな洋上で働く人々を見守り、豊漁と海上の安全を導いてくれるという信仰は年々盛んになっているそうです。

山の神が海とつながっている話は、秩父市の三峯神社でも聞いいたことを思い出しました。

地元では原発の放射能を山津見神社で食い止めた、という話(噂)があるそうです。科学的にどうかはわかりませんが、原発に対して、そんな話(噂)が広がっていることが、山津見神社らしいのかもしれません。

自然を畏れなくなった人間へ警告するものとして、狼が再び姿を現わすことは不思議ではないような気がします。
 
 
 
 
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

|

« 「東北お遍路展」開催 2017年10月25日~10月30日 | トップページ | 【犬狼物語 其の二百一】 山形県高畠町 安久津八幡神社 狛犬か?狼像か?高安犬像か? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「東北お遍路展」開催 2017年10月25日~10月30日 | トップページ | 【犬狼物語 其の二百一】 山形県高畠町 安久津八幡神社 狛犬か?狼像か?高安犬像か? »