『全国棚田ガイド TANADAS』 棚田と自分との新しい物語
ついに出ました。待望の棚田ガイドブック『『全国棚田ガイド TANADAS』。
多くの棚田関係者が、情報を集めたり、原稿を書いたり、写真を提供したりして協力しています。これだけの内容の濃いガイドブックはなかなかないのではないでしょうか。
先日発表された、日経新聞紙上での「棚田ランキング10選」の棚田も、もちろん含まれています。
「私たちの大切な財産である棚田を少しでも未来に残していきたいという思いから、1999年に農林水産省によって選定された「日本の棚田百選」の134ヶ所のほか、「景観が優れている」「保全活動が盛ん」「希少性がある」などの理由から厳選した合計212ヵ所の棚田を紹介。」(「BOOK」データベースより)
監修: 中島峰広
編集: NPO法人棚田ネットワーク
出版社: 家の光協会
発売日: 2017年9月26日
ページ数: 320
サイズ: 21.2×15cm
価格: 2700円
棚田ネットワークの特設ページはこちら。
http://tanada.or.jp/guidebook/
1999年の夏に「日本の棚田百選」が発表されてから、18年も経つんですね。
当時、すぐに百選のリストを頼りに、全国134カ所の棚田をすべて周ってみましたが、そのとき、「今さら棚田ねぇ」とか「あと数年すれば無くなってしまうよ」と、何人もの農家の人から言われたものでした。
でも、その後、棚田は世間に認知され、「タナダって何?」と聞かれることもなくなるほど市民権を得ました。
もちろん、中には、高齢化などの原因で、無くなってしまった棚田も実際あります。その現実は解決されるどころか、ますます深刻さは増しているといえるかもしれません。
それでも、棚田を多方面から再評価する動きも活発になって、棚田をなんとか残そうと頑張っている人たちも増えています。棚田は単なる米の生産現場というだけではなく、新しい価値を付与され、よみがえったと言ってもいいでしょう。
「新しい価値」は「新しい物語」と言い換えてもいいかもしれません。
各棚田には、意欲的に活動している人たちの存在があります。その人たちを抜きにして棚田保存は考えられません。この本には、その活動も詳しく紹介されています。
ぜひ、気に入った棚田を見つけて、棚田と自分との「新しい物語」を生み出してください。物語は人の心を豊かにします。そのきっかけがこのガイドブックであることを願ってやみません。
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