平成30年(2018)版「旧暦棚田ごよみ」発売中
使いづらい、だけど美しい! 始めてみよう"旧暦生活"
平成30年版「旧暦棚田ごよみ」が発売中です!
壁掛型の見開きタイプ・上部がA4サイズの棚田の写真、下部がA4サイズの旧暦カレンダー
※ 旧暦がわかる「ミニブック」が付いてます!
「旧暦」とは、明治5年まで日本で使われ続けてきた、月の満ち欠けを1ヶ月とした、太陰太陽暦のカレンダーです。
四季折々の棚田風景と月の満ち欠け・二十四節気・七十二候・雑節まで記載しています。 新暦の日付も小さく入っているので、日常のカレンダーとしても使えます。 平成30年旧暦一月(睦月)は、新暦2月16日からはじまります。
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「旧暦棚田ごよみ」を作り始めて数年が経ちました。今まで新暦(太陽暦)を使うことに疑問を持つこともなく普通に生活してきましたが、旧暦を意識するようになったら、時々世界が違って見えるようになりました。たかが暦でそんなことがあるのか?と、思われる方もいるでしょう。
旧暦は月の満ち欠けの周期を一ヶ月とし、太陽の動きで季節を知る太陰太陽暦です。明治五年まで、約千三百年もの間日本で使われてきた先人の知恵の詰まった暦です。ただ旧暦は、年ごとに季節の日付が違うし、複雑に閏月を入れて日数の調整をしなければならないなど、正直使いづらい面もあります。
でも、人間は意識しないとわからないものがあります。使いづらいことが、かえって日付や季節や月の満ち欠けを意識させてくれるのです。
今まで新暦では普通にやり過ごしていたことが、突然やり過ごせなくなってきます。いちいち月齢や二十四節気や七十二候などを確かめる癖がつきました。棚田へ行ったときには、稲や花の微かな匂いにも敏感になった気がするし、虫の羽音や蛙の声に耳を傾けるようにもなりました。たかが暦、されど暦なのです。
昔は勝手に暦を作ることは許されませんでした。天の動きを正確に把握し暦を作ることは、人々に社会の安定を約束するものでした。暦を作ることは大切な仕事で、権力者が独占していたのです。
暦が私たちの生活に影響を与えるのは今も昔もかわりません。使いづらい「旧暦棚田ごよみ」で、より自然を意識し、日々の暮らしの中で季節感を取り戻すのはそれほど難しくはありません。
明治六年の改暦からまだ一四四回しか使っていない新暦に比べて、日本人が旧暦に親しんできた歴史はずっと長いのです。
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表紙は、_【福岡県八女市 鹿里の棚田】
旧星野村の鹿里集落は18軒・約50名の小さな集落である。秋には「彼岸花祭り」が開かれる。あぜ道に連なる彼岸花が、まるで紅いチェーンのように棚田を飾り、黄色い稲とのコントラストが美しい。
一月 【秋田県仙北市 上桧木内の棚田】
秋田県北秋田市の鷹巣駅から仙北市の角館駅に至る秋田内陸線とともに走っている国道105号線沿いで出会った棚田。春先の雪融けの棚田にフキノトウが芽吹く。雪を踏みしめながら棚田を見下ろす高台に立つ。
二月 【埼玉県東秩父村 大内沢の棚田】
埼玉県は棚田が比較的少ない県だが、秩父には何ヵ所か棚田がある。そのうちの一カ所が大内沢の棚田だ。ここはまた花桃の里でもあり、このあと、満開のピンク色をした花桃が咲き、桃源郷のように美しい集落に変わる。
三月 【岩手県遠野市 撮影地不明】】
遠野盆地は民話の里でもあり、民話ゆかりの場所が点在する。また南部曲がり家の千葉家住宅などの歴史的建造物があり、近くの山際に拓かれた棚田では、水が入れられて、代掻き作業が始まっていた。
四月 【愛媛県内子町 泉谷の棚田】
内子町の中心地から車で約30分。山の中にある泉谷は標高470mあり、95枚の棚田が広がっている。夕方には夕陽が水面に映り、あぜ道はシルエットになって、棚田らしい曲線美を見せてくれる。
五月 【岐阜県飛騨市 種蔵の棚田】
種蔵は、国道からは上の方にあるので、車の騒音も聞こえない静かな集落である。石積棚田の中に、穀物を貯蔵する「板倉」と呼ばれる倉庫が点在する。昔は各家1棟を持っていたというが、今集落内に残っているのは20棟。
六月 【大阪府能勢町 長谷の棚田】
三草山のふもとの斜面が棚田になっている。ここで特徴的なのは「ガマ」という、横穴式の石組みのトンネルを用いた水路があること。美しい里山の風景の中に、「ガマ」の技術が隠されていることを知ると、また違った風景に見えてくる。
七月 【新潟県十日町市 留守原の棚田】
国道405号線にある留守原の棚田は、作業小屋が建っていることで格好の写真撮影ポイントになる。夏の日差しの中訪ねると、稲は緑色からじゃっかん黄色みが増していて、もうすぐ収穫時期であることを思わせる。
八月 【愛媛県西予市 遊子谷の棚田】
旧城川町には昔お遍路さんの休憩場所としても使われた「茶堂」が多く残っているが、たまたまある茶堂へ向かっていたときに偶然に出会った棚田。黄金に色着いた田んぼを背景に、黒アゲハが彼岸花を飛びまわっていた。
九月 【大分県玖珠町 戸畑の棚田】
県道54号線を走っていた時、山の稜線に数基の風力発電のプロペラが並んだ風景を写真に撮ろうと思って止まったら、そこは玖珠川の支流に沿って広がる棚田でもあった。集落の周りは細長い盆地で、すべて階段状の棚田になっている。
十月 【新潟県小千谷市 川井の棚田】
すがすがしい秋日。ハザ木に架けられた稲束から漂う稲の匂いが懐かしさを倍増する。新潟ではこういった何段か横に稲を架けるハザ木が使われる。日本一の米どころである越後平野の秋の風物詩だ。
十一月 【愛知県新城市 四谷の棚田】
駐車場のある南側に立つと、山の斜面の下から上へ向かって続くダイナミックな棚田が俯瞰できる。一方、県道を登っていき上部から見ると、かなり急斜面に石を積んで作られた棚田であることがわかる。
十二月 【長野県長野市 栃倉の棚田】
「棚田百選」にも選ばれている北アルプスが一望できる棚田は虫倉山のふもとに位置する。棚田オーナー制度も取り入れて、耕作放棄が少ない地区だ。前日の夜降った雪でうっすらと雪化粧をした風景にハッと息を呑む。
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