スライド&トークショー『全国の犬像をめぐったお話』
1月12日は写真展会場でスライド&トークショーだったので、俺は始まる3時間前に会場のギャラリー楽風に行きました。
予約していたプロジェクターを受け取り、パソコンとつないで、映像がちゃんと出るかどうか確かめていると、ひとりの男性が「青柳さんですか?」と声をかけました。
なんと、ある犬像の作者の彫刻家さんでした。新聞の記事を見ていらっしゃったそうです。
その作者の犬像は、このほか、全国に3カ所ほどにあることがわかりました。今後その像の写真も撮ろうと思います。
聞けば、ご自身も4匹の犬を飼っている愛犬家で、やっぱりなぁと思いました。犬像の姿は動きのある一瞬を捉えていて、日々犬と暮らしていないとつかめない形だろうと内心思っていたからです。だから納得できました。
そんな驚きの出会いがあったあと、午後7時から、写真展会場で、飲み食いしながらのトークショーが始まりました。スクリーンを囲んだところはキャンプファイヤーをやっているようでいい雰囲気。
長崎県大村市の「義犬華丸」を建立した小佐々氏子孫の会の小佐々先生もいらっしゃったので、所々でコメントを頂戴することができました。
小佐々先生は、獣医史学会理事長でもあります。犬像から日本人の動物観・自然観がわかるということで、『全国の犬像をめぐる』を作るにあたっては協力していただいたのでした。
義犬華丸は、写真展でも展示しているし、今回のスライドショーでも紹介しました。
小佐々さんのお話でへぇ〜と思ったのは、江戸時代、狆は犬ではなかったという話です。(華丸は狆でした)
どういうことかというと、当時は、ペットとしては「犬」と「狆」と「猫」がいたということです。つまり「狆」は犬の一種とは考えられておらず、別な独立した種だと考えられていたそうです。おもしろいですね。
狆という字は、ケモノ偏に「中」。これは日本で作られた漢字です。狆には下毛がなく、寒さに弱い犬です。だから家の中で飼うものでした。だから「中」の字。しかも暖かい家の中で飼う動物でした。なので結局裕福な人間しか飼うことができず、狆を飼うのはステイタスでもあった、ということです。
華丸の像は、大仏師・石彫家、長岡和慶氏の手によるものですが、とにかく丸い形です。突起がなるべくないように作られています。実はそこにも理由がありました。
犬像はだいたい多くの人に撫でられることになるのですが、それと長年の風雪で、耳が欠けたりするものです。なので突起物をなるべくなくしたとのこと。なるほどと思いました。
磨く作業は曲線だけなので、研磨機をつかうことができなく、たいへんだったようです。
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