【犬狼物語 其の二百二十】 神奈川県横浜市 神鳥前川神社の守護犬像
横浜市青葉区の神鳥前川(しとどまえかわ)神社を参拝しました。
参道の階段を上って行くと境内に至ります。正面に拝殿があり、戌年だからでしょうか、左側に大きな犬の絵馬がかけられています。
その奥に進むと伏見稲荷神社と富士仙元社があります。
富士山型の塚の前には安産祈願の守護犬像と子産石がともに並んでいます。無事出産した人がお礼参りに結んだものでしょうか、守護犬像と子産石には、たくさんの安産お守が下げられています。
富士仙元社は霊峰富士の神様をお祀りしている神社です。「浅間」の字をあてるのが多いですが、ここでは「仙元」との表記が由緒に残っています。
富士山は古来より生命力の象徴とされ、また富士の神様である木花咲耶姫命は出産の際、火事に見舞われたにもかかわらず、母子共に無事であったことから安産の御神徳があるとされています。
また犬の、多産・安産にあやかり、子宝の象徴として信仰されてきました。安産祈願が戌の日に行われるのもこのためです。
全国には、多くの子宝犬の像があります。東京の水天宮の子宝犬もそうです。ここの守護犬もそのカテゴリに入れていいのではないかと思います。
守護犬像は、かなり古いものだと分かります。江戸時代以前のものではないでしょうか。
宮司さんによると、この守護犬の像は、近くの幼稚園の敷地内にあったものだそうですが、平成元年に、社殿の改築と同時に仙元社も祀ることになり、管理ができなくなった守護犬像も、ここに置かれることになったそうです。なので、幼稚園にあった以前のことはわからないそうです。
また、子産石は、霊峰富士から産み落とされた石で、石が石を産み、増え続けるという言い伝えがあるそうです。
昔から、この石がある家は子宝に恵まれ、家運長久であるとされています。近年ではこの石を持つ家も少なく、貴重なものとなったため、子授けや安産のための石の貸し借りが行われるようになりました。
実際に石を借り、無事出産を終えると、お礼の品を添えてお返しをするという風習が広く残っています。
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