【犬狼物語 其の二百五十六】兵庫県西脇市 犬次神社のマナシロ(麻奈志漏)
犬次神社の起源は古く、『播磨風土記』にも記されている。
その昔、第15代・応神天皇がシカ狩りにこの地を訪れたとき、猟犬・マナシロ(麻奈志漏)がイノシシと戦って死んだのを哀れみ、この地に葬った。
「マナシロ(麻奈志漏)」とは、「真白」のことで、毛色は白だったらしい。
NHK総合で2017年8月24日放送された「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」で、最も古いペットの名前のひとつとしてこの「マナシロ(麻奈志漏)」が紹介されていた。
「犬次」の名前の神社は、全国にここだけで、犬を葬った「犬塚」が転訛したものと考えられている。
神社は地元の住民が代々守ってきた。この日も月一の掃除の日で、住民が1時間ほどかけて、境内を丁寧に掃除していた。
田畑を荒らすイノシシを退治してくれた犬をお祀りしていくうちに、犬の安産・多産にあやかって、現在は子安信仰の神社になっている。
参詣者は本殿裏側の夫婦岩の間にある「砂受場」から砂を一握りもらって持ち帰り、安産を祈願して、無事出産が済んだら、その砂を持ってお礼参りをする慣習があるそうだ。
神社にマナシロ(麻奈志漏)の像や墓はないが、奉納された絵がある。
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