【犬狼物語 其の二百四十四】 和歌山県九度山町 高野山への案内犬ゴン
前回、慈尊院を訪ねてから2年後、再び参拝すると、ゴンの像は豪華になっていた。その事情を住職から伺った。
ゴンが死んですでに10数年経ったにもかかわらず、今だにゴンの像をお参りする人や、寄進する人も多いのだという。だから寄進されたお金で、ゴンの像は金色の半月板を背にした豪華版にしたのだそうだ。
ゴンは、昭和60年代、九度山駅と慈尊院を結ぶ途中にある、丹生橋の近くに住みついた白い雄の野良犬だった。慈尊院の鐘の音に反応したので「ゴン」と呼ばれるようになった。
ゴンは「弘法大師の案内犬の生まれ変わり」、「お大師さんの犬」とも呼ばれた。「弘法大師の犬」で、約1200年前、弘法大師が、狩場明神に連れられた2匹の犬に道案内されて高野山を開いたという伝説については書いた。だからゴンが高野山まで人を案内していることで、そう呼ばれたことは自然だったのだろう。
もともとゴンは、野良犬で、だれからも管理されず、自由に動き回れた。だから九度山駅と慈尊院を行き来したり、慈尊院から高野山へ人を案内したり、ということを自然に覚えたらしい。
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