高畑勲監督がなくなりました。ご冥福をお祈りします。
「火垂るの墓」や「アルプスの少女ハイジ」などの名作を手掛けたアニメーション映画監督の高畑勲さんが亡くなりました。
2013年の『かぐや姫の物語』 は監督の好きな作品でした。
不老不死の月の世界が、けっして「生きる」ことを実感させない世界として匂わせている、と感じました。
だから月(理想郷)に生きる人(神?仏? 完全なる者)たちとの対比として、かぐや姫は、地上(現実世界)に生きる生々しい人間(不完全なる者)として描かれていました。
月に生まれたかぐや姫が、月からすればどうしようもない地上に「生きる」ことを見つけ、ここに残りたくなった、でも残れないという葛藤は切なくなりますね。
とくに、その内面が現れていたのは、屋敷から抜け出すシーンです。まるで殴り描きのような絵が画面を疾走する感じが、とてもよかった。「なんだこれはー!」という斬新な表現。「生きる」を感じさせます。
高畑勲監督は、肺がんだったそうです。享年82歳でした。
ご冥福をお祈りします。
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