【犬狼物語 其の二百九十三】三重県津市 犬塚地蔵
伊賀市から津市に向かいました。国道163号線・長野峠バイパスを通り、トンネルを抜けた入ったところに犬塚地蔵はありました。
お堂の前は伊賀街道で、これがもともとの旧道だったようです。
ここに「小白丸型伝説」が残っています。
小白丸伝説とは、吠える犬が首を切られるのですが、その首は大蛇に咬みついて人(飼い主・狩人)を助けるという話です。犬が吠えたのは、大蛇から人を守るためだったのに、犬は誤解されて首をはねられてしまうんですね。人は後悔して、犬を丁重に葬るのです。
解説看板を要約すると、
その昔、長野氏の家来に、鹿間という武士がいました。彼は暇ができると犬を連れて山で猟をしていました。ある日、犬が吠えて、進もうとする鹿間氏を噛もうとしました。ついに、腰の刀で犬の首をはねたところ、犬の頭は空を飛んで大木の上でこちらを狙う大蛇の喉に噛みつきました。犬の忠義に感じ入った鹿間氏が、この地に首を葬りお祭りしたそうです。
鹿間氏は後悔して犬の首をここに葬ったのでした。
犬は人間に忠実なのに、人間は犬を信用せず、誤解して首をはねてしまう話。犬と人間の本性を現しているような、人間には耳の痛い話です。
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