【犬狼物語 其の二百九十】京都府京都市 高山寺 明恵が愛した子犬像
和歌山県有田川町の明恵大橋にある犬像については、先日アップしました。
そのオリジナルの子犬の像を見に、明恵上人終焉の地、京都の高山寺を訪ねました。
日本ではじめて茶が作られた場所としても知られ、栄西禅師が宋から持ち帰った茶の実を植えた「日本最古之茶園」碑が立っています。
石水院の一室には、レプリカですが、擬人化された動物を描いた有名な「鳥獣人物戯画」も展示されています。明恵の姿を描いた掛け軸もあります。
目指す子犬の像はガラスケースに入って展示されていました。黒い子犬でした。木彫の柔らかさがあって、実際触ったら体温を感じそうで、明恵が大事にしていた姿が目に浮かびます。
志賀直哉も、そばにおいて可愛がりたいくらい優れた作品だと語ったそうです。運慶の長男・湛慶の作ではないかと伝わっています。
明恵は生涯夢を記録して『夢記』を著しました。その中に黒い犬の夢があります。一匹の黒い犬が足にまとわりついてきたときに、明恵は「この犬を年来飼っていたのだ」と気がつく夢です。
子犬の像がこの夢と関係あるのかりませんが、子犬には固有の名前がないようです。これは明恵が夢や現実で愛した犬(動物)全般のイメージであるのかもしれません。
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