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2018/08/01

『縄文 JOMON 一万年の美の鼓動』展

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9月2日まで東京国立博物館で開催中の『JOMON 縄文 一万年の美の鼓動』展へ。

ここには、今年4月に犬像本に掲載するために撮影させてもらった、栃木県藤岡神社遺跡から出土した犬形土製品も展示されているということで、犬像に再会するため、という意味もありました。

今回の展覧会は縄文時代の国宝6点がすべて集結するというぜいたくなものです。史上初だそうです。ただ6点すべて揃ったのは、昨日からでした。それまでは4点だけ。だからなのか、昨日はけっこう混雑していました。

国宝は、5点が土偶、1点は火焔型土器です。すべてすばらしいのですが、特に気にいったのは、「縄文の女神」と「合掌土偶」です。

「縄文の女神」は縄文時代中期のもので、山形県舟形町で出土しました。

正面からの写真を見ていたのですが、実物を真横から見ると、この女神像のユニークさが際立ちます。世界的に女性像はたくさん出ていて、たいていお尻が大きく誇張されているのですが、こういった形は初めて見るものでした。

「合掌土偶」は縄文後期、青森県から出土した座った人が合掌しているものです。縄文の祈りの姿を表しているそうです。

どうしてこんな発想や造形が生まれるんでしょうか。素晴らしさに言葉が出ないですね。カンボジアのクメール石像も好きなのですが、縄文にもクメールにも、原始的なエネルギーを感じます。

ところで、犬像ですが、この藤岡神社遺跡の土製品だけでした。半年ぶりの再会です。動かないようにテグスで固定してあって、それは大切な出土品を守るにはしかたないのですが、大きな像ではないので、鑑賞するにはテグスが気になってしまいました。

とにかく、あと2週間で、この犬像が掲載された本が本屋に並ぶことを想像するとワクワクします。

それと、珍しいと思うものに、岩手県で出土した狼形鹿角製品というものがありました。会場内はすべて撮影禁止なので、この写真はありませんが(こちらに画像があります。http://j-shibainu.sakura.ne.jp/pdf/Digest26.pdf)、長さは25cmくらいでしょうか、細長い鹿の角の先端に狼のような動物の顔が彫られて(造られて)いるものです。

近づかないとわからないほど小さなものです。何に使ったものでしょうか。似たものとして髪飾りがあったので、これも髪飾りなのでしょうか。

それと、説明文には「狼形」と書いてあったのですが、「犬形」かも。縄文犬は、ストップがほとんどなく、狼と似ているということはすでに書いた通りです。まぁ、どっちかは、作った人に聞かないとわからないかもしれません。

ある博物館の学芸員が「考古学が面白いところは、みんな、自由に想像できること」とも言っていたとおり、俺にとっては、狼でも犬でも、どっちでもいいのですが。

ただ、強いものを身に着けることで、お守りにするという目的なら、日常的に傍にいる犬ではなく、森の最強動物であった狼の可能性は、やっぱり高いのかもしれません。
 
 
 
 
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