東京五輪・パラ 式典統括に狂言師の野村萬斎さん
(震災前の2009年5月10日、岩手県陸前高田市の図書館前広場で披露された伝統芸能「根岬梯子虎舞」)
「東京五輪・パラ 式典統括に狂言師の野村萬斎さん」のニュース。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180730/k10011556361000.html
このニュースを聞いて、最初は意外な人選だと思ったのでしたが、でも、よく考えたら、適任なんだなぁと思い直しました。
萬斎さんのインタビューでは、こんなキーワードが出てきました。「鎮魂と再生」です。そしてそれは芸能の一つの役割りでもあるという話です。
以前、「東北お遍路」のフォーラムで、民俗学者・福島県立博物館館長の赤坂憲雄さんの講演「震災と宗教」を聴く機会がありました。
赤坂さんは震災後の被災地を周り、それは「巡礼」でもあった、という話が印象的でしたが、震災後「シシ踊り」などの芸能や祭りが一早く復活したことを見て、日本人ほど宗教を大事にしている民族はいないのではないかと感じるようになったそうです。
東北の芸能、祭りは死者に対する鎮魂供養の意味があり、こんな大災害のときにこそ、やらなければならないものだというのです。
芸能は、鎮魂と再生には必要なもの。東北の復興というだけではなく、先日には西日本の豪雨災害もあったし、日本は災害から逃れることはできません。
日本人は、自然というものの恩恵を受けるなら、その負の面である災害も、ある意味受け入れなくてはならない、ということなのでしょう。自然とともに生きていく日本が災害からどのように復興するのか、その役割として芸能の力は大きいのかもしれません。
そういう意味で、萬斎さんに期待できるのではないでしょうか。
ニュースでは「今後、野村萬斎さんたちは4つの式典に共通する基本理念を設けたうえで、それぞれの式典で独自性のある物語や演出、それに聖火台のデザインや開会式で聖火をどのようにともすのかなどを検討していくことになります。」とあります。
聖火台は、もちろん縄文の火焔式土器でしょうね。
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