

南北首脳、北朝鮮の聖地「白頭山」を訪問のニュースがありました。
「北朝鮮を訪問中の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は20日午前、中朝境界にある「白頭山(ペクトゥサン、標高2744メートル)」に登った。韓国の大統領が白頭山を訪ねるのは初めてとみられる。昼食をとった後、同日午後にソウルに戻る。」(日本経済新聞より)
この山に中国側から登ったことがあります。
図們から、延吉、二道白河とバスで移動しました。二道白河に1泊し、翌日ふたたびバスに乗り、長白山へ向いました。
「長白山」とは中国での呼び方で、朝鮮名では「白頭山 백두산 ペクトゥサン」。朝鮮民族の聖地です。標高2744mの火山の頂上付近にはカルデラ湖、天池があります。平均水深は213mもあるそうです。
バスの終点からは絶壁と、67mの高さから水が落ちる長白瀑布が見えました。ポプラが黄色く色付き始め、滝から流れている川の水も澄んでいてきれいでした。
そこから200mくらい行くとガレ場になり、その急坂を登らなければなりませんでした。石が落ちてくる危険な道です。もっと楽な道もあったのですが、それは帰るときに気がつきました。
ある場所まで上ると、ようやく平地になりました。すると、目の前に天池の湖面が現われました。対岸は北朝鮮です。今回、南北首脳が訪れたのは、もちろん対岸の朝鮮側です。
当時は、監視所や国境警備の兵士などは見当たりませんでした。もっとも対岸へ渡るには、ボートなどはないので泳ぐしかなく、普通では無理です。湖の周りは想像以上に切り立った山で、一周する道などもないし。
ハルピンの大学生と韓国人の5人のグループと知り合いました。韓国人は、オーストリアに住むエコロジストで、中国人学生たちと共同で植物調査をしにやってきたのだといいました。
韓国人は日本語をしゃべりました。「富士山に登ったことはありますか? 丹沢には?」と聞かれ「どっちも行ったことがありません」と答えると、「珍しいですねぇ」と軽蔑したように言われました。
天池に棲む怪獣「テッシー」の噂を聞いていたので、彼らにその話をすると、「怪獣なんているはずがないですよ。第一、この天池は泉の水で、とても澄んでいるので、魚さえも棲めないんです。餌のいない湖に、どうして怪獣なんか棲めるんですか?」と言うのです。まったく理屈はその通り。でも・・・。
韓国人に、南北統一について聞いてみました。すると、韓国人は語気を強めて「とんでもない!あいつらの頭は固いんだ。統一を考えているようなジェスチャーを見せてるだけ」と言い放ちました。俺などが単純に口を挟める問題ではないなと、それ以上突っ込みませんでした。
90年代には韓国人が大勢登ってきて、韓国の国旗を掲げる輩も現れたそうです。今、そんなことはやってないと思いますが。

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