映画『15時17分、パリ行き』 災害や危機に備える大切さ
どういう映画かというと、パリ行列車の中でテロリストと戦い、テロを防いだ3人の若者の話です。
危機(テロ)や災害に直面した時、どういう行動をとるか、日々、シミュレーションしておくことの大切さを教えてくれる映画、という面もあります。
「『15時17分、パリ行き』(The 15:17 to Paris)は、2018年のアメリカ合衆国の伝記映画。2015年8月21日に高速鉄道タリス内で発生したタリス銃乱射事件と事件に立ち向かった3人の若者を描く。監督は、クリント・イーストウッド。主演の3人は、実際にタリス銃乱射事件に巻き込まれた3人を本人役として起用している。」(Wiki参照)
出演している3人の若者が、本人というのは驚きます。他にも乗客の何人かは本人出演だったようです。意外とみんな自然な演技でした。(この場合「演ずる」ではないのかな。彼らにとっては「再現する」なので)
とにかく、こういう突発的な出来事にすぐに対処できるのは、日頃の訓練やシミュレーション(イメージトレーニング)なんだろうなと思います。
軍人なので、こういうテロリストの存在は身近だろうし、常に、対処の仕方をシミュレーションしていたと思います。俺だったら、目の前で起こっていることが、どういう事態なのか把握する時間が必要だし、とっさに行動することはできないんじゃないかなと思います。
先日、元モー娘。の吉沢被告が酒気帯び運転、しかもひき逃げで逮捕された件で、その瞬間をとらえたドライブレコーダーの映像が公開されたとき、近くにいた人たちが、車に飛ばされた怪我人を助けようとせずに立ち去ったとしてバッシングされましたが、バッシングした人は、あらかじめ、ここで事故が起こると知っているからどうすればいいかわかることで、現場にいた人は、突然目の前で起こったことを、一瞬で理解して、怪我人を介抱するなんてできっこないんです。まぁできる人もいるかもしれないですが、できないからと言って非難はできないでしょう。
それと、ビブ・ラタネ、ジョン・ダーリー 著『冷淡な傍観者―思いやりの社会心理学 』にもありますが、緊急事態に対する人間の「傍観者効果」と呼ぶ心理的効果もあります。
多くの人がその現場にいると、助ける人間が少なるというものです。その訳は、2つあります。
【責任の分散】 人数が多いほど、自分よりも援助に適した人がいるはずだ、自分がやらなくてもいい、ほかの人にも責任はあると考えてしまう。
【集合的無知】 みんな同じことを考えていることを知らず、自分の考えはほかの人とは違うのではないか。自分では緊急事態なのかもと思っても、周りの反応を見ると、他の人たちは何もしようとしていないのをみて、緊急事態ではないんだと思い込んでしまう。みんながそう考えてしまうので、誰も助けなくなってしまう。
これを知ってなるほどと思いました。以前、俺も2回の「緊急事態」に遭遇しました。火事と、発作を起こした男です。そのとき、この「傍観者効果」を体験しました。緊急事態で、即、行動できるというのはなかなか難しいということを身をもって知りました。
だから、この映画のように、銃を持った男に列車の中で突然遭遇したとしても、彼らのように即、これはテロリストだと判断し、男に向かっていくというのは難しいでしょう。日々のシミュレーションが必要なのではないでしょうか。これは災害の時にも役立つことだと思います。
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