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2018/11/28

依田賢太郎著『いきものをとむらう歴史-供養・慰霊の動物塚を巡る』

181128


これは面白いなぁと思いました。

こんなにいろんな動物の塚が日本には存在するんだなぁと。もちろん犬像・狼像を探して歩いている身なので、前から、多いとは感じていました。それ以外も含めれば、日本全国動物の塚だらけです。

「おわりに」には、次のように書かれています。

「私が調査した動物塚の数はわずか五百数十基に過ぎませんが、対象となる動物はすでに百数十種に及んでいます。このような文化は世界に類例がありません。」

500数十基というのはすごいですね。

こんなに塚があるのは日本だけらしい。著者は外国の塚も調べています。

どうして塚を作るのか?というのは素朴に思います。

著者は、

「私は人間が生きものである人や動物の死に直面した時の衝撃は人種によって変わることはないと思っています。 (略) そして、その衝撃への対応の仕方には文化が大きく影響します。日本人は動物の死への対応の一つのあり方として動物塚を選びました。」

と書いています。「塚」に走るのが日本的ともいえるわけですね。感謝や思い出などプラスの気持ちと反対に、後ろめたさや祟りを鎮める装置として「塚」を作っているということらしい。

本では犬塚についても触れています。俺は主要な犬塚は訪ねたと思っていましたが、本にはそれがすべて載っていたので、やっぱりこれ以上の主要な犬塚は、現時点ではなさそうです。

「現時点」と書いたのは、これから新しい塚が造られるかもしれないからです。時代が下るにしたがって、塚の建立件数は増えているそうなので。

これには、今まで知らなかった狼塚の情報も載っていました。そのうち訪ねようと思います。
 
 
 
 
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