「戌・犬」から「亥・猪」へ
(高崎市の上毛野はにわの里公園の、手前から狩人、猪、犬形埴輪)
2018年は、正月から写真展や雑誌や新聞などで、犬三昧の日々を送りました。犬像の2冊目『犬像をたずね歩く』も出版することができました。
いよいよ戌年も終わりです。来年は亥年で、「平成最後」の年です。
『犬像をたずね歩く』に載せるために、犬形埴輪をいくつか撮影しましたが、そのとき、そばには必ず猪形埴輪が立っていました。
犬と猪の関係は深く、だから個人的には、干支がこの順番であることに不自然さは感じません。
上野の東京国立博物館の平成館考古展示室に展示されていた犬形埴輪は、古墳時代(6世紀)、群馬県伊勢崎市で出土したもので、首輪をして、目が小さく可愛らしく見えました。犬の前に立っていたのが猪です。犬と比べると、尻尾が短く、鼻が豚のように少し広がっています。
群馬県高崎市の上毛野はにわの里公園では、犬と狩人と猪とセットで展示されています。狩人は弓を引いている格好をし、猪の背中には矢じりが当たって血が出ているところ、猪に対峙するように向かい合って犬が立っているところです。
全国的に、犬は、たいてい猪とセットで出土することが多いそうで、猟犬であることを表していて、狩猟儀礼の場面を構成する定型だったとのこと。
大阪府高槻市には、淀川流域では最大級の前方後円墳・今城塚古墳があって、隣接する今城塚古代歴史館には犬形埴輪が展示されていました。
でも、今城塚古墳から犬形は見つかっておらず、展示されていたのは、市内にある別の昼神車塚古墳で出土した埴輪でした。
犬形の隣に猪形も展示されていて、やはりここでも、犬と猪はセットで発見されています。
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