【犬狼物語 其の三百二十八】東京都新宿区 動物とのゆかりが深い市谷亀岡八幡宮
市ヶ谷駅に近い市谷亀岡八幡宮は、動物とのゆかりが深い神社です。
祭神である応神天皇は、シカ狩りのとき、猟犬がイノシシと戦って死んだのを哀れみ、丁重に葬りました。猟犬の名前は「麻奈志漏(まなしろ)」です。(『播磨風土記』)
その場所が、兵庫県西脇市の犬次神社ではないかといわれています。「犬次」の名前の神社は、全国にここだけで、犬を葬った「犬塚」が転訛したものと考えられているそうです。
「麻奈志漏」については、NHK総合で2017年8月24日放送された「人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!」で、最も古いペットの名前のひとつとして紹介されました。
市谷亀岡八幡宮はまた、第5代将軍徳川綱吉の母・桂昌院ゆかりの神社でもあります。綱吉はもちろん「生類憐みの令」で有名だし、桂昌院も愛犬家だったようです。京都の善峯寺には、桂昌院と子犬の像があります。
そんなことで、この市谷亀岡八幡宮では、現在、ペットの健康長寿・病気平癒の祈祷やペット同伴の初詣、ペットの七五三なども行われています。
階段を上ったところに一風変わった狛犬が鎮座しています。まるでAIBOを思わせるようなロボット狛犬。これは、何か、犬や狼と関係があるのでは?と想像をたくましくしましたが、違ったようです。神社によれば、直接の関係はないそうです。火災の多かった江戸時代に火消しの人たちが身に付けていた刺し子を付けた狛犬だという説もあるそうです。
なお、ここには新宿区指定有形民俗文化財の「力石 」や珍しい「几号水準点」があります。
几号水準点とは、高低測量を行うために明治時代に設けた基準となる測量点です。几号水準点は、水屋の台座になっていて、 水準点の位置が設置当初から移動していないことや、保存状況が良く、近代土木史上、貴重なものとして新宿区文化財に認定されているそうです。
台座の下で、見づらいところにありますが、案内表示があるので、すぐわかります。
| 固定リンク
コメント