【犬狼物語 其の三百二十四】千葉県印西市 愛宕山泉王寺の犬像
前から気になっていた犬像があって、それを確かめるために印西市に寄ったのですが、ネット情報で、印西市の愛宕山泉王寺にも犬か狼かの石像があると知ったので、訪ねてみました。
国道464号線の北側、数百メートルのところに位置します。
石像は門柱にぴったり寄り添う格好で像が建っていました。なので、境内側からしか見ることができません。石像はカビなどで迷彩模様のようになっているので、門柱に犬の姿が溶け込んでいるようにも見えます。
耳目もなくなり、頭が丸くなっています。ほとんど球体です。後ろから見ると、尻尾が「マルイ」の〇字に巻いています。
泉王寺は、真言宗醍醐派の寺だそうなので、宗祖と仰ぐ空海(弘法大師)の故事にちなんだ犬像なのかもしれません。
弘法大師は唐の長安で密教を学んで帰国する時、唐から日本の方を見ながら、「密教を広めるための良い土地があればその場所に落ちよ」と唱えて、三鈷を日本に向けて投げました。三鈷は両端が三つ又になった修行で用いる金属製の仏具のことです。
帰国後、三鈷杵が落ちた場所を探しに紀州の山の中に入りました。すると山中で猟師に出会いました。その猟師は白犬と黒犬を連れていました。実はこの猟師は狩場明神が姿を変えたものでした。この白黒2匹の犬たちの導きで、弘法大師は高野山にたどり着き、高野山に金剛峯寺を開山することにしたという。
犬像は、この白黒2匹なのかもしれません。
ところで、この尾の形、どこかで見たなぁと思ったら、千葉県久留里城址・城山神明社の犬像の尾の表現のしかたと雰囲気が似ていることを思い出しました。もっと「の」の字に近いですが、これもまた弘法大師由来の犬像でした。
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