【犬狼物語 其の三百八十四】 忠犬ハチ公像が建立されてから71年
渋谷の「チュウケンハチコー」は、外国人との待ち合わせでも使う、国際的なランドマークにもなっているようです。
終戦記念日の今日8月15日、渋谷駅前の忠犬ハチ公像が建立されてから71年になります。
1代目の忠犬ハチ公像は軍需品をつくるための金属回収運動で供出され、溶解されて無くなりました。機関車の部品になったそうです。
1代目ハチ公像の製作者であった彫塑家・安藤照は空襲で亡くなったため、彼の息子である安藤士が、現在の2代目ハチ公像を製作しました。終戦の3年後、1948年(昭和23年)のことです。
この再建像の除幕式は、8月15日に行われました。日本はまだ連合国軍の占領下にあって、GHQの代表も参列したそうです。
設置にあたり、「忠犬」では軍国主義を思わせるなどの意見が出たようですが、結局、「忠犬ハチ公」という名前が浸透していたので、そのまま「忠犬ハチ公」になったようです。
あれほど日本の軍国主義を嫌い恐れていたGHQが、よく「忠犬」を許したなぁと思うわけですが、実は、忠犬ハチ公の物語は戦前既に欧米でも有名でした。アメリカの社会福祉事業家のヘレン・ケラーもこの物語は知っていて、1937年来日し秋田県で講演をしたとき、秋田犬が欲しいと言って、子犬を譲り受けたくらいです。2代目ハチ公像再建にあたっては、その物語に感銘を受けていたGHQの愛犬家有志が支援を行ったとのことです。(wiki参照) つまり「犬」の像だったから許されたということではなかったのでしょうか。いや、もっと言えば、主人を健気に待ち続けたハチ公の物語は、心の琴線に触れる万国共通の「昔話」だということなのでしょう。
再建当時は駅前広場の中央に設置されたようですが、1989年(平成元年)5月に駅前広場が拡張されたのを機に今の場所に移され、ハチ公口方向に向きも直されました。また、このとき台座の高さもハチ公像に触れやすい高さに変更されたそうです。今は外国人が台座に腕を伸ばして記念写真を撮っています。
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