「魔よけに保存か 民家にニホンオオカミの頭骨」のニュース
「魔よけに保存か 民家にニホンオオカミの頭骨」のニュース
(徳島新聞より
徳島市国府町の民家でニホンオオカミの頭骨が見つかったというニュースは、ちょっと衝撃的です。いまだにこういう発見があるのかと。
民家のリフォーム工事中、大工の高木さんが神棚の奥から見つけたらしいのです。家主もその存在に気が付いていなかったようです。おそらくご先祖からも聞いていなかったのか、あるいは、忘れてしまっていたのか。
県立博物館では「ニホンオオカミである可能性が極めて高い」との鑑定結果を出したそうです。
『全国の犬像をめぐる』『犬像をたずね歩く』のときは四国各地の犬像を訪ねましたが、『オオカミは大神』の取材では、中国地方は周りましたが、四国は行きませんでした。でも、四国でも狼信仰が盛んだったことがだんだんわかってきて、いずれ行かなくては、と思っていた矢先にこういうニュースがあると、まるでオオカミに呼ばれているような気にもなります。
秩父を中心にした関東でも、オオカミの頭骨が発見されたことがあります。頭骨は病気を治すために祀ったり、削って飲んでいたりしたそうですが、四国でもオオカミの頭骨を祀る習慣はあったようです。
発見した髙木さんによると、祖父からオオカミの頭骨を魔よけとしてまつる習慣があったことを幼少時に聞いていたという。だから「もしかしたらオオカミか?」と思って、博物館に持ち込んだようです。
県立博物館でも「過去には、頭骨をまつる信仰が県内であったことを示す古文書付きの頭骨が当館へ寄贈されたことがあり、今回の頭骨も信仰に関係があるだろう。資料が乏しく断定できないが、箱にしまって大事にしていた様子から、魔よけの可能性はある」と言っています。
こういった動物の骨をお守りにしたり、祀ったり、煎じて飲んだりという話は、アジアの旅でもなんどか聞きました。中国雲南省のハニ族は、豚の顎骨を祀っていたし、インドネシア・スラウェシ島のトラジャ族は、水牛の頭骨、フィリピン・ルソン島のイフガオ族は、豚(猪?)の骨を魔除けに祀っていました。
上に掲載の写真は、スラウェシ島の村で手に入れたお守りですが、この大きさだと、ネズミの顔の骨でしょうか。「魔除け」「お守り」と言われて買いましたが、単なる土産品(外国人向けの工芸品)だったのかもしれません。
| 固定リンク
コメント