【犬狼物語 其の四百九】群馬県前橋市 産泰神社の犬張り子型「安産子育て戌」
群馬県前橋市の産泰神社の主祭神、木花佐久夜比売命は女性の神様で、安産・子育ての守護神として信仰されています。
なので、境内にはいくつか子安信仰にまつわるものがあります。
「安産子育て戌」は可愛らしい像です。
「戌はお産が軽く、一度にたくさんの子どもを産むことから、「安産の守り神」として親しまれそれにあやかったものです。」とあります。
全国には子安信仰の犬像がたくさんありますが、産泰神社のは、犬張り子を模した像で、石像としては初めて見るものです。社務所の中にもカラフルな犬張り子が飾ってありました。
犬張り子はもともと、京都の「犬筥(ばこ)」を産室に飾る風習が江戸に伝わり、箱型でなく、犬の立ち姿の犬張り子が、江戸中期以後作られるようになりました。
犬張り子は江戸玩具になり、上方(かみがた)では東犬(あずまいぬ)と呼ばれたそうです。
産泰神社の本殿は立派な造りですが、その奥には「安産胎内くぐり」という岩があります。妊婦がくぐると安産になるというものです。
そして拝殿前には「安産抜けびしゃく」があります。
「当社には古くから底のないひしゃくを奉納する信仰がありました。このひしゃくで水を汲むと水はそのままスーッと抜けてしまいます。そのくらい楽にお産ができますようにと願ったものです。妊婦の方がより軽いお産であるよう、心をこめて抜けびしゃくで水をお汲みください。」とのことです。
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