【犬狼物語 其の四百四十二~四百四十三】東京都新宿区 中井御霊神社&下落合氷川神社の三峯社
中井御霊神社は、新宿区立落合公園、西武新宿線の北側の高台に鎮座します。
神社の社殿の左側には 稲荷社が、右側には三峯・八雲社が鎮座します。稲荷社の前では、3対の狐像と1対の狛犬が護っていましたが、三峯社の方に像はありませんでした。なかなか狼像はないですね。
この神社はまた備射祭(区指定無形文化財)で有名です。
備射祭は正月の弓神事(歩射)で、的に向かって矢を射て、その年の豊凶を占い、魔を祓って豊作を祈る行事。現在も毎年1月13日に行なわれています。弓の弦は、安産のお守りになるそうです。
拝殿には江戸時代の備射祭を描いた絵馬が奉納されています。社頭に座る僧侶や村人たちの姿が描かれ、現在とは異なる備射祭の様子がうかがえます。絵馬は享保年間より3回にわたって奉納されましたが、現在の絵馬は文政13年(1830)に修復して奉納されたそうです。これも区指定有形民俗文化財に指定されています。(境内の解説看板を参照)
願掛けの絵馬にもこの絵柄が使われています。
中国の創世神話では、五代目皇帝・帝俊の義和夫人は太陽を10個、嫦娥夫人は月を12個を産みました。ところが堯帝の時代に、10個の太陽がいっせいに輝き、大地は灼熱地獄になりました。堯帝は弓の名手・羿(げい)に、9個の太陽を射落とさせました。太陽はひとつとなり、元の世界に戻りました。日本にもこれと似た射日神話が伝わっています。関東を中心に「おびしゃ(お日射)」という祭りも行われています。
中井御霊神社の「備射祭」もこの「おびしゃ(お日射)」という祭りと関係があるのかもしれません。
下落合氷川神社は、西武新宿線沿いの新青梅街道を挟んだ北側に鎮座します。
江戸時代には豊島区の高田氷川神社を男体の宮、下落合氷川神社を女体の宮として、夫婦一対神として信仰されていたそうです。
この神社にも境内社があって、5神社がいっしょに祀られています。その中に三峯社もあります。狼像は見当たりません。
| 固定リンク
« 今日から二十四節気「立春」、七十二候「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」 | トップページ | 【犬狼物語 其の四百四十四~四百四十五】東京都北区 十条御嶽神社(武州御嶽神社)&稲付香取神社の御嶽社 »
コメント