今年はコロナ禍で見られない「田毎の月」
この時期は「田毎の月」が見られる季節です。今年は、新型コロナ禍で移動できないので、「田毎の月」が見られません。なので、過去に作った動画をアップします。
「田毎の月」は、昔から俳句に詠まれたり、浮世絵に描かれたりしていました。とくに、長野県千曲市の姨捨の棚田の月が有名ですが、当然田んぼに水がないとダメだし、苗は、あまりにも成長し過ぎてしまうと水面を隠してしまうので、ちょうどいい時期というのは、1年でもわずか、この時期だけなのです。
「田毎の月」は、すべての田んぼに月が映る、という意味でもあるのですが、実際、光学的には、月は1個しか映りません。それでこれを「嘘だ」という人がいるのですが、そうでもありません。
というのも、「嘘だ」という人は、夜中に田んぼで月を見たことがない人なのではないでしょうか。月は徐々に天空を移動するので、次から次へと、映った月は田んぼを移動していきます。あるいは、自分が動き回ると、月は田んぼを移動します。結果、すべての田んぼに月が映ったようなイメージを抱きます。
こういった体験で、「田毎の月」を味わうことができます。「田毎の月」は、日本人の心象風景なのです。
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