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2020/06/30

【犬狼物語 其の四百九十四】東京都板橋区 清水稲荷神社の三峯社(は無くなった)

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清水稲荷神社を参拝しました。

『新編武蔵風土記稿』には「清水、此渡清泉湧出し溝をなすこと五ヶ所あり、依て此名あり、用水にも引沃けり」と、また『遊歴雑記』に「老親飲めば美酒、その子飲む時は清水なり、彼地を呼んで酒泉澗といい、後に清水村とあらためけるとなむ」とあります。清水を祀り創建されたようです。

前野村の雨乞い祭りでは、藁で作った竜神が村内を練り歩き、最後に鳥居に向って左側にあるイチョウの神木に巻きつけられたという。

ところで、ここに三峯社が祀られてあるというので行ったのですが、どうしても三峯社の社殿なり、石碑なりが見つかりませんでした。それであとで電話で聞いたところによると、昔はありましたが、今はないそうです。だから当然三峯講もないとのお話でした。

三峯社がなくなってしまって残念です。神社自体は由緒あり、住宅街の中にあるオアシス的存在はなかなかいいのですが。

 

 

 

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2020/06/27

【犬狼物語 其の四百九十三】東京都板橋区 氷川神社の三峯神社

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東京都板橋区氷川町の氷川神社を参拝しました。板橋区役所前駅から北へ500mほど行った、高速道路の高架そばに鎮座します。なので、下の一般道の車との相乗効果で、けっこう騒音がする神社でもありました。

中山道板橋宿の鎮守として由緒ある神社ですが、明治22年の火災、昭和20年の戦禍で、重要な文献やお宝が焼失してしまったそうです。

境内には、19世紀中ごろに築造されたといわれる、一部富士山の溶岩、黒ボクも使用された富士塚があり、末社が祀られています。その中に三峯神社もありました。

この富士塚には、他に稲荷神社も何社か祀られていましたが、狛狐と思しき像が、少し狼っぽいかなと感じました。

そして頂上付近の枯葉の中に、何体もの石像の壊れたものが放置されていました。これもほとんどは狐像のようでしたが、中には、台座の横に尻尾を這わしたものもあって、もしかしたら、これはお犬さま像の残骸かなと期待します。掘り返すわけにもいかないので、上から見ただけなので、何とも言えませんが。

 

 

 

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2020/06/26

【犬狼物語 其の四百九十二】今日で百日目、「コロナ収束祈願」の狼像

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今日でtwitterに「コロナ収束祈願」の狼(お犬さま)像をあげて、ちょうど百日目になります。

当初は、「終息祈願」としていましたが、新型コロナの性質を考えると、当分「終息」はなく、せいぜい「収束」ならあるかもしれないと思って、それからは「収束祈願」としてきたのですが、どうでしょうか。まだ「収束」とは言えない状況ですよね。

それにしても、毎日毎日ルーティンとして狼像をあげてきたわけですが、新型コロナが話題になったのは年末なので、もう半年は経っています。あっという間でした。この狼像の数の多さで、このコロナ禍の日々の長さを実感しています。

その間の半分は、撮影の仕事も無くなり、自分も感染しているのでは?と戦々恐々とした生活を送っていました。もし感染したら仕事はできなくなるし、ヴィーノはどうする、妻は母親はどうする、という問題もあります。だからまず罹らないことだけに神経を使ってきた感じです。

6月になると、仕事の依頼も少しづつ復活し、世の中全体が明るさを取り戻した雰囲気で、それがまた第2波を呼ぶのでは?という不安もありながら、でも、なんとか生活はしていかなけてはと思っているところです。

今のところ、抗体検査の結果からみると、俺が想像していた感染者の割合よりもずっと少なかったようだと、ひとまず安心です。どんなところで感染しやすいのかもわかってきたので、その点を避ければ、かなりリスクを減らせることもわかったし、以前のように神経質にはならなくてすんでいるのは幸いです。ストレスが溜まって、コロナ鬱の状態に近かったといってもいいかもしれません。

今、関東(東京)の新規感染者数は、横ばいと考えて良さそうで(一部、夜の街の積極的検査が数を増加させているという見かけはありますが)、このままこんな状態が続いてくれないかなぁと言うのが本音です。ゼロにはならなくても、医療体制が崩壊しない程度で推移して、ワクチンなり、治療薬ができるまで持ちこたえてほしいと。

ところで、今日で100日目ですが、これからも続けていくことになりそうです。

新型コロナの第1波を乗り越え、新規感染者をここまで抑えているのは、この「コロナ収束祈願」のおかげだと言ったら、「頭おかしいんじゃない?」と言われるかもしれません。もちろん、俺もそんなことを本気で思ってませんが、けっこう100日もやってくると、止め時が難しいんだなと思い始めています。「収束」するまで、というのが建前ですが。

そこで思い出すのが、ドラマ『ロスト』で、あるボタンを押し続けなければ、世界が破滅すると言われて、ボタンを押し続けるという設定があったと思うのですが、まさに、今の俺もそんな心理状態に近いのかもしれません。本当はどうなのかは本人たちも半信半疑なのです。でも、もし押さなくて、本当に世界が破滅してしまったらどうしようという不安。それがぬぐい切れないのです。だからボタンを押し続けます。押してさえいれば(かなり煩わしさはありますが)、たとえ嘘であっても、少なくとも現状維持できるからです。

こんな精神状態を何て呼んだでしょうか? 確か、心理学であったような気がするのですが、思い出せません。

なので、仮にこれは「ロスト、ボタン押し強迫観念」とでも表現しておきますか。

「終息宣言」が出されるまでやめられなくなってしまった、ということでしょうか。やばいです。

 

 

 

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2020/06/25

【犬狼物語 其の四百九十一】埼玉県鴻巣市 鎌塚八幡神社の三峯・御嶽社

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鴻巣市の北部、鎌塚八幡神社境内に、三峯社・御嶽社が祀られているという情報を得て、参拝しました。

でも、結論からいうと、あるはずなんですが、どれがどれか、わかりませんでした。なので、全部にお参りしておきました。

twitterに「コロナ収束祈願」のお犬さま像をあげ始めて、明日で100日になります。ここを含めて関東地方の狼神社(三峯神社や御嶽神社)を参拝したのもかなりの数になってきたのではないでしょうか。

まだ続きます。

 

 

 

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2020/06/24

 Kindleで『中国辺境民族の旅 / 西域・チベット・雲南・貴州編』を出版

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Kindleで『中国辺境民族の旅 / 西域・チベット・雲南・貴州編』を出版しました。

https://www.amazon.co.jp/dp/B08BNR4KDF 

80年代から90年代にかけて、中国辺境、少数民族地帯を旅した紀行文です。過去に雑誌などで発表したものもありますが、それを加筆修正し、写真をつけました。

コロナ禍で、2カ月外出自粛で生まれた本といってもいいものです。

 

目次

序章: シルクロード/西域

第一章: サリム湖畔のカザフ族

第二章: メコン河源流のチベット人

第三章: 貴州省の布依族的春節

第四章: 雲南省西部の旅

第五章: 貴州省トン族の餅

第六章: カラコルムハイウェイ、ロバ車で行く 

 

 

 

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2020/06/22

【犬狼物語 其の四百九十】埼玉県鴻巣市 鴻神社の三峯社

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鴻巣市・鴻神社を参拝しました。境内には合祀殿があり、その中に三峯神社も祀られています。

ここは、鴻巣の由来となる「こうのとり伝説」の舞台にもなる神社です。子授け・安産のご神体である、数百年の大杉から造られたご神卵が神殿内に祀られています。

 また「こうのとり伝説」にちなんだ幸運の「こうのとりのたまごお守り」があります。

 

 

 

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2020/06/21

今日からは、二十四節気「夏至」、七十二候「乃東枯(なつかれくさかるる)」

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今日からは、二十四節気「夏至」、初候「乃東枯」です。

「 夏至」は、一年で最も昼が長い日になります(北半球)。

冬が長い北欧を中心に、夏至祭というものが行われるようです。

夏至は恋人とめぐり合える「愛の季節」でもあるそうで、ウィキペディアには、こんなことも書いてあります。

「北半球では、性欲をかきたてる日とされており、スウェーデンの民俗学者によると、夏至を祝うミッドサマーの祝日から9ヶ月後に生まれる子どもが多いという。」(Wiki

そして夏至の初候は「乃東枯」ですが、「乃東」というのは、「靫草(ウツボグサ)」のこと。「靫(うつぼ)」というのは、武士が矢を入れて持ち歩いた用具のことです。

別名「夏枯草(カコソウ)」。夏に花が枯れて黒褐色になるからですが、利尿剤や消炎剤として使われているそうです。

 

 

 

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2020/06/15

【犬狼物語 其の四百八十九】群馬県伊勢崎市 三峰神社

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緊急事態宣言が解除されてから約3週間。新規感染者は横ばい、あるいは、少し増えているようですが、こんな感じで続くならなんとかwithコロナで生活できそうです。

でもまだまだ収束までは程遠い。終息はほとんど不可能でしょう。とりあえずしばらくは収束祈願で狼信仰の神社を周ります。

ネット情報を頼りに、群馬県伊勢崎市の三峰社を参拝しました。

東武伊勢崎線、新伊勢崎駅から徒歩1~2分。県道の南側に鎮座します。

祠がふたつ。でも、どこにも文字は見えません。ネット情報では「三峰神社」の文字があったというのですが。

境内には円筒形のものが残っていますが、これは鳥居の跡でしょうか。

 

 

 

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2020/06/14

「疫病除けの狼像」のDM、「コロナ収束祈願」お札ふう作品、「犬狼像」書籍のチラシ

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「疫病除けの狼像」のDM、「コロナ収束祈願」お札ふう作品、「犬狼像」書籍のチラシできました。DMとお札ふう作品は先週から撮影のお客様に無料でプレゼントしているものです。

どちらかで、DMとチラシを置いてもいいよというところがありましたら、ご連絡ください。(送料だけご負担ください)

お札ふう作品は手作りなので数が足りません。とりあえず、これは個人的にプレゼントするだけにしておきます。そして何度も言っていますが、これは「お札」ではなく、あくまでも「お札ふう作品」ですので、ご利益はありませんのでご了承ください。

 

 

 

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2020/06/13

【犬狼物語 其の四百八十八】東京都日野市 百草八幡神社

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287a2449(御嶽神社?)

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東京都日野市の百草八幡を参拝しました。

多摩川の右岸の高台、京王百草園の隣に鎮座します。

社殿前で護る一対の狼像。なんと可愛らしい姿でしょうか。丸々としていて子どものようです。こんな狼像(お犬さま像)、今まで見たことがあったでしょうか。

秋葉山大権現社、稲荷神社、御嶽神社が合祀されているので、この狼像は御嶽社由来の狼像らしい。

御嶽神社はたぶんこの小さな祠だと思われます。

 

 

 

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2020/06/12

高山不動尊常楽院

 

ヴィーノとヴィーノの義理の兄のレノンを連れて、コロナ収束祈願のために高山不動尊常楽院を参拝しました。

 

 

 

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2020/06/10

【犬狼物語 其の四百八十七】神奈川県相模原市 下九沢御嶽神社

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仕事があった場所に狼信仰の神社があれば、コロナ収束祈願で参拝していますが、今日は、神奈川県相模原市の下九沢御嶽神社です。

住宅街の中にあって、広い境内を持っていて、明るい雰囲気でした。

明治2年、「御嶽神社」と改称されましたが、それ以前は「蔵王大権現」と呼ばれていました。

本殿裏側には天満宮・日枝神社などの境内社が並んでいます。

例大祭は8月26日で、「下九沢の獅子舞」が奉納されるそうです。今年は行われるでしょうか。

 

 

 

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2020/06/08

ほとんど犯罪的な狛犬

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八王子方面に仕事があったので、寄ってみた八王子市兵衛の熊野神社。

前から気になっていた狛犬にようやく会えました。

やばいでしょ。これはほとんど犯罪的な狛犬です。両方とも前足が取れています。だからまるで床から斜めにニョキッ!と生えているように見えます。

タウンニュース八王子版(https://www.townnews.co.jp/0305/2018/01/01/412647.html)によれば、

「2003年に社殿を修復する際、縁の下からこの狛犬が見つかったという。「おそらく前足が破損したのはずいぶん昔。『本来は神社にあったものだし、粗末にしない方がいい』ということで本来の立ち姿に近い形で設置されたようです」と糠信さん。背中の刻印によると作られたのは明和2(1765)年。神社ができたのもその頃と推定されている。」

とのこと。

狛犬はずいぶんと古いものです。縁の下から「見つかった」とあるので、長い間放置されていて、前足が壊れてしまったということらしい。

でも、ここが面白い発想だと思うのですが、前足があったころの立ち姿を想像して、角度をつけて設置したというのです。

そこに「ウケよう」などという邪心は感じられず、まじめだからかえって可笑しみ(魅力)が増しているように思います。もともと顔もユニークで、それだけでもかなりインパクトがある上に、この設置方法は、やばすぎます。

これが狼像だったらよかったのになぁ。

ところでひとつ疑問が生まれました。この狛犬、「狛犬研究会」の報告では、1998.10訪問とあって、1998年時点ですでにこの狛犬が設置されていたようなのですが、「タウンニュース八王子版」では、氏子会副総代は2003年に発見されたと言っています。時間的な矛盾があります。発見年について、勘違いされているのかもしれません。あるいは記者が勘違いしたのかも。そのうち真相を調べてみます。

 

 

 

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2020/06/07

「花を観るの巻」と「ひたすら走るの巻」

(花を観るの巻)

 

(ひたすら走るの巻)

 

 

緊急事態宣言で長らく閉鎖されていた丸山公園が、6月1日に開園されたので、ヴィーノを連れだしました。

俺たちも、ヴィーノも、外出自粛はまじめに守っていたので、まだ宣言が解かれても気をつけないといけないのは重々わかっているのですが、3密を避けて公園に行ってしまいました。

ヴィーノもうれしそうに走りました。俺が運動不足で、ヴィーノに着いていくのがやっとです。しかも暑い。この日、28度くらいまで上がったのではないでしょうか。

夜、少し頭痛がしたのは軽い熱中症かもしれません。夏に向けてマスクは、コロナの感染リスクは下げても、熱中症のリスクを上げてしまうことが心配されています。

 

 

 

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2020/06/05

今日からは、二十四節気「芒種」、七十二候「螳螂生(かまきりしょうず)」

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今日から、二十四節気「芒種」、初候「螳螂生」。

芒種は、芒(のぎ)のある穀物、麦や稲のことです。

一方、「螳螂生」は、カマキリが生まれ出るころ、という意味です。葉っぱの後ろに泡状の粘液が付いていることがありますが、それがカマキリの卵です。子どものころ、よく見ていました。

そこから幼虫がいっせいに孵化するのが今の季節なのだそうです。

 

 

 

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2020/06/04

六四天安門事件とアメリカのデモ

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1989年6月4日は、六四天安門事件の日です。

俺はあの年の5月は貴州省でミャオ族「四月八」の祭りを撮影していました。(上に掲載の写真は「四月八」の祭りではなく、その前に行われた凱里ミャオ族の「芦笙会」の写真)

そのころから、ホテルで見るテレビなどでは、天安門に学生たちがたくさん集まっているニュースがあったように記憶しています。

その後帰国しましたが、ほどなくして天安門事件が起こりました。貴州省で知り合った日本人留学生(当時北京で留学中)が、急きょ帰国して、事件について話すためにワイドショーに出演したことも覚えています。

今だにこの事件について中国ではタブーですが、毎年香港で開かれていた六四追悼集会が、今年は当局に許可されなかったという。表向きはコロナ感染拡大防止のためと言っていますが、中国の、反体制活動を禁じる「香港国家安全法」制定方針を全人代で採択したことと関係があるのではないでしょうか。

ところで、今、アメリカでもデモが拡大しています。白人警官が黒人男性を死なせたことをきっかけに広がった抗議デモが暴力的になってきました。

朝日新聞DIGITALによると、

トランプは「抗議デモを「終結させなければならない」と宣言した。州知事らに、州兵を動員して「警察当局の圧倒的な存在感」を作るよう求め、そのような行動を取らない場合は米軍を派遣する意向を表明した。」

トランプは軍隊をちらつかせてデモの拡大を押さえようとしています。デモの首謀者が問題あるとしても、六四天安門事件のような自国民に自国の軍隊が発砲するというとんでもない事件を糾弾しておきながら、同じような「六四」がアメリカでも起こってしまうなら、なんだアメリカ、お前もか、です。

人権、民主、自由を標榜しておきながら、結局は、国家というものは、個人を犠牲にしても生き延びたいんだなと幻滅するしかなくなります。いったい個人を犠牲にして成り立つ国家とは何なのでしょうか。

アメリカで「六四」が起こらないことを祈ります。

 

 

 

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2020/06/03

【犬狼物語 其の四百八十六】お犬さまとゴジラのイメージ

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先日、twitterで『オオカミは大神:狼像をめぐる旅』の中に載せている、東京都練馬区八坂神社内の御嶽神社にあるお犬さま(狼)像が、ゴジラと似ているということに触れられていて、あらためてゴジラとお犬さまについて考えてみました。 

本を書いている時点では、正直、あまり調べてなくて、単純に姿形がゴジラと似ていると思ったから、そう書いただけでした。とくにシルエットで見るお犬さまの顔は、まったくゴジラを彷彿とさせる形で、もしかしたら、ゴジラの姿形のルーツはお犬さまではないかと思うくらいです。

でも、姿だけではなく、その意味するもの、あるいはイメージも似ているのでは?と思うようになりました。とくにアメリカ映画『GODZILLA ゴジラ』との対比でみると分かりやすいかな。

まず「ゴジラ」の名前の由来ですが、ゴジラの第1作目にも出ている話で、「大戸島の呉爾羅伝説」というものがあり、これはその後に公開された多くのゴジラ映画に共通する設定のようです。(実際の制作時には、当時のスタッフのニックネームが由来らしい。大戸島も架空の島です)

 「大戸島では「呉爾羅は普段は海底で眠っているが、一度目覚めると近海の生物を食い尽くし、やがては陸に上って人を襲うようになる」と伝わっており、不漁になると呉爾羅が原因だと考えて呉爾羅への生贄として嫁入り前の娘を筏で流していたという設定でした。」(https://mag.japaaan.com/archives/111460/2 参照)

怪物(魔物)は神にもなります。怪物に生贄を捧げる伝説としては、「しっぺい太郎伝説」があります。狼犬が、生贄の村娘の代わりに、魔物と戦うという話です。

呉璽羅という海神の化身の存在が、この島の伝承として人々に伝わっています。それこそ「ゴジラは呉璽羅」です。

2016年公開の映画『シン・ゴジラ』では登場人物である謎の生物学者、牧悟郎の出身地もこの大戸島です。なので、牧悟郎は「呉爾羅伝説」をもちろん知っていたと思われます。

 名前の由来はわかりましたが、それでは、ゴジラの誕生の由来はどうでしょうか。

ゴジラは「放射能の影響で生まれた生き物」というイメージを持っていました。初代のゴジラは1954年に公開されたのですが、当時、ビキニ環礁の核実験が社会問題となっていて、ゴジラは水爆実験で住む場所を奪われた古代生物の生き残りとされています。ところが、ゴジラ作品によって、その設定は変わっているのだそうです。

『シン・ゴジラ』の場合、「太古から生き残っていた深海海洋生物が、不法に海洋投棄された大量の放射性廃棄物に適応進化した「ゴジラ」 (GODZILLA) と呼称される未発表の生物である」(wiki 参照)ととらえられています。

牧悟郎がカギを握っているのですが、はっきりとは描かれていません。牧悟郎がボートから行方不明となっていて、謎のままです。でも、彼がなんらかの「処置」をしてゴジラを誕生させたということを暗示しているようです。自らが呉爾羅への生贄となったという考えもあるようです。

ゴジラはなぜ人間を襲うのか、ということに関してもいろんな考察があるようですが、「ゴジラは自然災害」というとらえ方があります。

たしかに日本の都市は何度もゴジラで破壊されました。でも、それは台風や、地震や、津波と同じような、たとえて言えば、ゴジラが日本で暴れるのは、自然災害のようなところも感じます。人間にはどうしようもない自然の猛威には、祈りしかないという心理的状況はわからないでもありません。

だからゴジラは自然そのものであり、神でもあるでしょう。その点『GODZILLA ゴジラ』のトカゲの怪物がたんなる破壊者という点とは異なっています。

お犬さまが、農作物を害獣から守ってくれるという感謝の思いだけではなく、山に棲む得体のしれないものに対する畏れもあったような気がします。つまりそれは、自然そのものに対する感謝と、畏れそのもの、ということなのでしょう。

お犬さまは、大口真神という神、あるいは、神そのものではなくて、神使、眷属ですが、山、あるいは自然の象徴ともとらえることができそうです。ゴジラのイメージとかなり近いと言えるのではないでしょうか。

ところで、『シン・ゴジラ』では政府の「巨大不明生物特設災害対策本部」で、自然災害と捉えるのか、違うのか、議論が続けられているうちに、被害だけは広がっていくという、なんだか、コロナ禍を予言していたような展開になっています。誰が本当のリーダーかもわからない。その右往左往する様子が、まったく日本的で(と、日本人自身が認めてしまっているのですが)、ちょっと笑ってしまいます。このとき「緊急事態宣言」が出されたかどうか、覚えていません。

 

 

 

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