【犬狼物語 其の四百九十九】埼玉県さいたま市 膝子八幡神社
膝子八幡神社は、明治41年に大字膝子字上芝宮無格社春日社、同境内社三峰社、稲荷社、字芝宮無格社天神社を合祀したそうです。
一応、三峰神社も合祀されているので、【犬狼物語】に取り上げることにしました。狼像はなさそうですが、その代わり狛犬は古くてかっこいいです。
ところで、膝子は「ひざこ」と読む地名に、まず「何で?」と疑問が沸くのは俺だけではないでしょう。
そこで調べてみました。
300mほど離れたところに「膝子塚」という、今はレンタル倉庫になっているところに高さ10mほどの塚があります。祠もあるのですぐわかりました。
この膝子塚は古墳だったようです。そしてある伝承が残っています。
『新編武蔵風土記稿』にはこうあります
「膝子村は江戸より行程八里余、村名の起りを尋るに、往昔農夫某が妻懐妊して異形ものを生めり、その体を見るに人の膝の如くなればとて、当所をさして膝子と異名に呼しより、終に村名となれりと云、覚束なきことにて取べき説にもあらざれど、土人の伝る儘を暫く記せり」
昔、農夫の妻が異形の子どもを生んで、その体が「人の膝の如く」なっていたので「膝子」という村名が生まれたという。
ところがどうもこの伝承はあとで付け足された可能性があるとのこと。
「やまだくんのせかい」(http://yamada.sailog.jp/weblog/2019/02/post-55f8.html)には、
「赤子伝説は後から付け加えられた。 古くこの地は広大な沼(湿地帯)が広がり、膝までもぐるほど地盤が弱かったので「膝子沼」とよばれた。 元々見沼は湿地帯だったので、沼に由来する地名が多く「深作」などもその一例。
※膝小僧→膝っ子→膝子
※膝子塚は、大宮台地に多く残る古墳と形状・規模が同じ。
※一村民が作る赤子塚の大きさではない。
膝子塚赤子伝説は「陶子(とくりご)」を源につくられたと考えられる。」
湿地帯で、膝まで潜るから「膝子沼」、「膝子」という地名が生まれたという。なるほどと思います。
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