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2020/08/15

お食い初め儀式の関東・関西の差

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(お食い初め料理 関東地方)

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(お食い初め料理 関西地方)

287a7839(埼玉県越谷市・香取神社 安産の石)

287a7870(埼玉県越谷市・香取神社 歯固め石納所)

 

Img_8642(東京都北区・七社神社の歯固め石納所)

 

赤ちゃんが生まれて、一般的に男の子は生後31日目、女の子は生後32日目に行うのが、お宮参り(初宮参り)です。氏神様に無事に生まれたことを報告し、健やかに成長していけるように祈願する儀式です。

一方、赤ちゃんが生まれて100日前後に行われるのが、お食い初めの儀式です。赤ちゃんの体調もあるし、31日(32日)も、100日も、地方によってさまざまで厳格ではなく、しかも最近はコロナ禍で、お宮参りとお食い初めをいっしょにやる家族もたくさんいます。

お食い初めの儀式で面白いなと思ったのは、「歯固め石」が、全国同じではないということを知ったことです。

お食い初めは、鯛や煮物や赤飯を箸で食べさせる真似をして、一生食べ物に困らないようにと願う儀式です。そして最後に「歯が丈夫になるように」との願いを込めて、箸でちょんちょんと石をつついて、赤ちゃんの口元へ持っていきます。

歯固め石は、お宮参りをした神社でもらうこともありますが、自分で境内から拾って使う人もいます。使い終わったら神社に納めます。(写真は越香取神社と七社神社の歯固め石納所)

町田宗鳳著『山の霊力』には、「山の神の依り代であると同時に、赤子の頭が石のように固くなってほしいという祈りが込められていた。里人にとって山の神は、出産から育児まで母子を見守ってくれる心強い味方だったわけである。」

とあります。ここにも先日ブログでも書いた「山の神」が出てくるわけですね。

歯固め石を使うのは、てっきり全国的な話なのかなと思っていたら、2か月前、関西ふうでは、歯固め石の代わりに、茹でタコを使うことを知ってびっくりしました。

食文化などでも、関東、関西が違ったりするので、お食い初め儀式でも東西差があっても不思議ではないのですが。

石の代わりにタコを使うのは、「タコはなかなか噛み切れないので歯が丈夫になる」という理由もあるそうです。あとは「多幸」のごろ合わせからという説もあるようです。

ただ、このタコを使うのがどのくらいの範囲なのか、関西全体なのか一部なのかはわかりません。

そして石の代わりになるものとして、タコ以外にも、アワビ、クリ、紅白モチを使う地域もあるそうです。そうなってくると、必ずしも「石」を使わないということになり、石が山の神の依り代という説はどうかなと疑問です。

むしろ、堅いモチがオリジナルではないかともいわれています。正月初めに、歯を丈夫にするために堅いものを食べて長寿を願う風習があったようです。これは正月に雑煮を食べることにつながっています。同時にお食い初めの儀式の歯固め石にもなったと考えられるのかもしれません。

 

 

 

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