雲南省を大移動しているアジア象たち
昨年来、雲南省の南部シーサンパンナ州から北上を続けていた野生の象集団が、とうとう昆明市まで到達しました。
日本では猿1匹で、連日ニュースになるくらいですが、さすが中国、モノが違います。
90年代、シーサンパンナ州のモンラー県で野生の象の集団を見たことがあります。モンラー県はラオスに接し、冬でも象にとっては比較的(中国内では)過ごしやすい土地だとは思うんですが、どうして環境の厳しい北を目指したのか謎です。
もうひとつ不思議なのは、墨江から元江へ、元江から石屏へ、どうやって行ったかということ。元江(紅河)という大きな河を渡らなければなりません。まさか橋を渡った?
ただ、4月下旬だったらしいので、かろうじて雨期の直前だったし、一番水量が少ない季節でした。象たちは河を渡ったのかもしれません。そのころの元江の水量、どんなだったか記憶にありませんが。(上に掲載google map元江付近の元江(紅河))
それにしても象の移動経路がシーサンパンナ昆明間の自動車道とほぼ同じ、というのは、どう考えればいいんでしょうか。象が自動車道を歩いていったことを意味するんでしょうか。もしそうなら、これは象の意思だけではないかも。
例えば、農家の人が、象を畑から追い払った場合、畑や林をしばらく歩き回るでしょうが、やっぱり歩きやすい道路に出てくるのかもしれません。そしてまた道路を歩き始める。長距離移動には象にとっても道路なのです。ただ、どうして「北」なのかはわかりません。
動物(象)の専門家は元の場所に帰るかもと言っています。
この話を聞いて、伊勢参りしたおかげ犬や金毘羅山を参拝したこんぴら狗を連想してしまいました。
おかげ犬やこんぴら狗については、前から何度も書いているし書籍にも載せているので、詳しいことは省きますが、この象たちも自力である目的地を目指し、そこから元の場所へ戻ることになったら、まるでおかげ犬やこんぴら狗です。
犬の場合は、人の「代参」でしたが、象はどうなんでしょうか。何を訴えているんでしょうか。
これは永遠の謎です。象にしかわかりません。でも人はそうではないようです。
すでにSNSではこれをいろんな「意味」に解釈しています。200年後くらいの民話伝説に、この象たちのことがどう語られるのか、興味のあるところです。(俺は死んでいませんが)
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