【犬狼物語 其の五百八十二】京都府福知山市 田ノ谷八幡神社の狼さま
大原神社の宮司さんから耳寄りな情報を聞きました。
田ノ谷という集落に八幡神社があるのですが、宮司さんはそこも兼務しているそうです。
「この八幡神社には狼像があります。谷の一番どん尽きです。ここから14,5kmくらいでしょうか」
そんな情報を聞いてしまっては、行ってみないわけにはいかず、さっそく出かけました。
国道9号線に出て、福知山市三和支所を過ぎたら県道に入りました。田ノ谷まで日本家屋がちらほら見られ、隠れ里のような雰囲気の中、細見川に沿った緩い谷を遡っていきます。ススキが午後の陽に当たって揺れて美しい。
八幡神社は、細見川の支流、東田ノ谷川という小川に架かった赤い欄干の宮前橋を渡ったところにありました。右側に公民館がありますが、ここはかつで観音堂があったそうです。
正面に石作りの鳥居、赤い屋根の社殿が見えます。
鳥居をくぐり石段を上ると、正面に高さ6mくらいの石垣が目の前に現れ、圧倒されます。
さらに、その石垣の石段を上っていきます。数えたら33段ありました。石垣の上は、けっこう広い境内になっています。大きくはないですが、磐座もあります。
社殿の両側に狼さまの像が向かい合って立っています。狼さまの像の高さは約1mくらい。右側が口を開いた「あ」、左側が口を閉じた「うん」。損傷がけっこう激しく、内側の材料もボロボロで崩れてきそうです。怖くて触れません。外に塗ってあるものもはげ落ちています。見た目ほど古い像ではないようです。
でもこのままではいずれ形はわからなくなってしまうでしょう。どういう形で修復すればベストなのか、その知識はないので、なんとも言えないですが。
『三和町史』に「慶応四年六月の改帳には、「八幡宮・吉田家霊・末社厄神社・山神社・稲荷社があり、社内地に観音堂有之候」」とあって、山神社も祀られているようです。
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