【犬狼物語 其の五百九十】島根県出雲市 八幡宮 狼(大神)神社
島根県出雲市の斐川公園の一角に、八幡宮・狼(大神)神社が鎮座します。
公園はJR直江駅から徒歩10分のところにあり、野球場やテニスコートもある広い公園です。春はサクラやツツジが咲きほこる、ツツジの名所として知られているそうです。
八幡宮の一の鳥居は、山陰本線の踏切近くにあり、そこから神社が鎮座する狼山まで参道が続いています。
神社入り口に立っていた看板の由来記には、このようにあります。
「狼ヶ森(おおかみさん)一帯は、現在は斐川公園の名称で町民に親しまれていますが、社伝によりますと昔このあたりはうっそうと茂った森の中、狼の格好の棲家であり、民家に出入りしては危害を加え村人を大変困らせていたとあります。また、狼ヶ森は戦国時代(一五七〇年頃)尼子・毛利の武将達が戦に明け暮れた古戦場でもありました。」
ここに毛利が高瀬城攻撃のために築いた「狼山城」があり、高瀬城と鳶ヶ巣城の中間に位置する好立地だったようです。ただ、城跡は、ほとんどわかりません。神社の境内は平らで比較的広く、ここが本丸跡か?というネット情報も。
「八幡宮由緒 八幡宮の本宮は九州大分の宇佐八幡宮ですが、この社は田波八幡宮と呼ばれ、狼山の山頂に鎮座し直江町の氏神様として広く崇敬されています。明治二十三年十月、森の中腹にありました狼大明神を迎え入れ二社を合祀されたものです。この年、狼神社は大神神社と社字を改められ現在に至っています。」
「狼(大神)神社由来 中古の昔、此の山に狼徘徊し多くの人命を損害なす、故に時の段原頓阿弥と申す人、此の神を勧請し、乞い願いによって悉く平定せし由、古老の申傳候いにしえより村人、狼を山の神として祀る畏敬の念もあり。」
境内には狼像ではないかと思われる複数の石像が残っていますが、年代も違っているようで、壊れているものが多いです。階段を上がったところには、何体かの像が積み重ねられていました。
八幡宮社殿の右側には、石祠があって、その両側にも狼さんのような1対の石像が立っています。右はかろうじて動物らしい姿を残していますが、左側は、足の部分がなくなっているので、まるで「伏せ」の姿です。これが狼像なんでしょうか。とすると、この石祠が、由緒に書いてある「森の中腹にありました狼大明神」なのかもしれません。
他に、賽銭箱を置いた謎の石(石碑?)もあります。
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